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物忘れは20代から始まっている! 普段からできる「健忘症」に陥らない徹底対策術(2)

 実はこの病気、厄介なところがある。記憶障害以外の症状がないので、クルマの運転や料理など、普段行っていること自体は問題なくこなせる。しかし、障害が回復しても、その間の記憶がほとんど消えているため、数時間後、我に返っても「クルマでどこをどう運転して帰って来たか、全くわからない」といったことが起きるようだ。
 また発作中に失っていた記憶(発作前の数日間〜数年間)については、発作後かなり回復すると見られているが、これも要因はいまだ解き明かされていない。発症の傾向は、片頭痛持ちの人に多く見られるという。

 一方、主症状が病的な物忘れということで「アルツハイマー病」と誤解されやすいところがある。しかしアルツハイマー病は全く異質な病気で、進行性の局部的な脳の変異がはっきりと認められる。コンピューター断層撮影検査(CT)や磁気共鳴画像(MRI)検査でも、脳の形態に異常が認められ、大きな違いがある事が判明している。

 加齢とともに進行する物忘れの原因の一つとしては、短期記憶を司る脳の重要部分である、海馬(かいば)の衰えを挙げる専門家もいる。
 その要因に、重要な栄養素となる“亜鉛”不足が指摘されている。ある大学の医療研究チームも「海馬における亜鉛の短期記憶に及ぼす影響」についてラットを使った実験を行った結果、亜鉛を摂取したラットの方が、短期記憶力がアップしたとのデータが得られたという。

 亜鉛といえば、代表的な食品はカキやレバー、牛肉(肩)、煮干し、凍り豆腐などのほか、パルメザンチーズ、ピュアココアなどがある。
 人間の摂取量の目安は1日約30ミリグラムで、カキだと200グラム、レバーで400グラムは食べることが必要とされるが、これを毎日食すのは困難。そんな場合はココアを飲んだりサプリメントを摂取して補う方法もあるだろう。

 また人の神経細胞は、20歳をピークに毎日10万個という単位で死滅していくという。しかし、前出の井上院長は言う。
 「脳には、情報を伝達したり、それを長期記憶として蓄えたりするシプナスという細胞がある。このシプナスが著しく減っていけば物忘れがひどくなり、自らがどこを歩いているのかもわからなくなる。ですが、シプナスが活発に働くようになれば、脳神経細胞がいくら死滅しようが、別なコンピューターを使い、問題解決のネットワークを作って頑張るんです。脳は使い方(知的刺激を与える)次第で、生涯にわたり発達するという素晴らしい細胞なんです」

 つまり、前でも述べているが、頭を使ってシプナス部分に刺激を与えること(考える事)で物忘れの予防に繋がるし、症状の改善にも役に立つというわけ。
 「本を読む。新聞を読む。そして、わからない言葉や漢字は人に聞くのではなく、辞書で調べる。特に若い人は、パソコンや携帯電話の普及前までやっていた当たり前のことをしなくなってしまった。若年健忘症から脳を守るには、自らの“五感”をフル活用する努力が常に必要です」(同)

 集中して覚え、反復を欠かさない。これを常日頃から意識しよう。

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