「自民党は'09年に野党に転落し、多くの業界団体が民主党支持に回った。ところが、アベノミクス効果で自民大勝が高まると、業界団体が雪崩をうって自民支持に鞍替えし始めたのです」(政治部記者)
その筆頭が、『日本歯科医師連盟』(会員数約6万5000人)だ。
「日歯連は、毎年20億円前後を自民に献金していた団体だが、政権交代後は民主党を支援していたのです。だが、今回の参院選では自民党比例の石井みどりを支持。診療報酬のアップを狙い、擦り寄りだしたと評判なのです」(自民党議員)
また、『日本医師会』(会員数約16万5000人)もしかりだ。同団体は政権交代後に民主党支持に転換したものの、'10年の参院選では民主、自民、みんなの党を支援するというドタバタぶり。これが裏目に出て推薦候補全員が落選したが、今回の参院選では自民党比例区に副会長の羽生田俊氏を擁立。さらに、東京選挙区でも同党の武見敬三氏を推薦している。
前出の政治部記者が言う。
「他にも、今回は郵政選挙で自民党と袂を分かった『全国郵便局長会』(会員数約2万人)が回帰。組織内候補を自民党から擁立している。ただ、こうした動きがあるのは、選挙後にTPP問題が横たわっているから。郵便局長会は特定郵便局の廃止を求められないかと危惧しており、日本医師会は米国の健康保険制度への介入に怯えている。要は既得権保持のために、自民に擦り寄っただけ」
ただし、安倍総理はこの手の組織票を全くアテにしていないともいわれている。
「100万票といわれた医師会の票田は今では20万票程度で、日歯連も10万票がいいところ。アベノミクスに沸く安倍総理はもともと浮動票狙いで、こうした論功を全く考えていないとみられているのです」(前出・自民党議員)
駆け込み造反組には、辛い現実が待っている?