こう語るのは、性カウンセラーの青山愛さんだ。
昨今の禁煙ブームで、いまや男性の喫煙率は28・2%、女性は9%(’17年・日本たばこ産業調査)と、最も喫煙率がピークだった’68年に比べると、3分の1程度まで減少。
読者諸兄の中にも “元愛煙家”は多いのではないだろうか。
「百害あって一利なし」と言われる煙草は、EDの要因になることでも知られている。
「煙草に含まれるニコチンは、血管を収縮する作用があります。これが問題なのです。勃起というのは性的興奮時、ペニスの海綿体に血流が流入して膨張する現象なので、血行が悪いと勃起不全を起こしやすいのです」
やはり、煙草は止めたほうがよいのだ。
だが、いきなり「今日から禁煙するぞ」と意気込み、大好きな煙草を禁止にしてしまうと、それはそれでEDの要因になるという。
「EDの要因の8割が心因性です。いわば緊張や不安といったストレスがあるから、勃起しない人がほとんどなんです。禁煙を始めたことでストレスが溜まってしまうと、やはりEDを招きかねないのです」
実際、青山さんのところに来る男性患者の中には、“妻に文句を言われて禁煙を始めた途端、アソコの元気がなくなった”という人もいるという。
「さらに、今まで2回戦はSEXが出来たのに、煙草をやめてから、1回が精いっぱいなんて話もあります。その人の考えとしては、1回楽しんだあとの小休憩で、一服していた時のほうが調子もよかった、と」
喫煙者は性行為を終えると、まず煙草を吸いたくなることが多い。女性に嫌われる理由の1つでもあるのだが、煙草を吸うコトで、自分の中でひと区切りをつけられて、再びもう1回…という気持ちが高まることもあるのではないだろうか。
「基本的に煙草はEDの大敵ですが、人によっては禁煙がEDのキッカケにもなるんです」
では、どうすればいいのだろうか。
「まず、本気で禁煙を考えるなら禁煙外来などで無理せず、徐々にやめること。独自のやせ我慢で禁煙を始めると、想像以上にストレスが溜まり、それがSEXにも悪影響を起こしかねないのです」
特に、妻や彼女から勧められて禁煙を始めた方は要注意。SEXの前後に煙草を吸えないイライラを抱えたまま行為に及ぶと、当然ながらSEXに集中できない。
「勃起はリラックス状態でないと起こらないので、イライラしていたら勃つものも勃ちません。そのあたりはパートナーにも理解してもらうことが大事ですね」
ちなみに青山さん的には、「キス多め」のSEXで、禁煙のイライラは吹き飛ばせるという。
「煙草が吸いたくなるのは、口が寂しいから。だったら、SEXの時にキス多めに、煙草ではなく女性の唇をさくさん吸うようにするんです(笑)。意外とコレで無理なく禁煙出来てしまうかも」
煙草くさ〜い、と言われそうだが、試してみる価値はありそうだ。
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青山 愛
性カウンセラーとして、EDなど、あらゆるアブノーマルな性癖を持つ人たちの相談に乗る。また、SMと催眠術を組み合わせた「SM催眠」を行うデリバリーヘルス『青山リラク』の経営者でもある。