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グレープフルーツジュース・納豆・海藻類… 知っておくべき薬と食物飲料の“最悪”の組み合わせ(1)

 「グレープフルーツジュースと一緒に飲まないで下さい」。病院で貰った薬に、こんな注意書きがあるのを見たことがないだろうか。一緒に飲んだり食べたりすると、薬の効果を強めたり弱めたりする食品が身近にあるという事を知っておくべきだ。

 まず、こんな患者の体験を紹介しよう。東京・杉並に住む社員、石黒慶尚さん(51)は、胸に強い動悸とめまいを覚えたため、近くの医院に駆け込んだ。
 検査の結果、心房細動(不整脈の一種)と診断され、治療薬として『ワーファリン』を処方された。この薬は、血液が血管の中で凝固し、血が流れにくくなる病気を予防するものだ。
 石黒さんの場合も、血液の濃度が高く、放置したままだと「血栓症」、つまり血管の中の血液が固まるため血流が悪化し、心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こす可能性があった。しかし石黒さんは、薬を飲み始めてから3週間たっても胸の動悸が改善しないため、再度診察を受けた。
 すると、血中濃度に改善が見られないため、医師は「薬があまり効いていないようですね。何か食べていませんか?」と、意外な質問をした。確かに、石黒さんは納豆の他に海藻類などが好物でよく食べていた。一見、ヘルシーな食品と受け取れるが、実は薬の効能を壊していると指摘された。

 東邦大学医療センター大橋病院の循環器内科担当医は、こう説明する。
 「ワーファリンについて言えば、ほとんどの医療機関で『抗凝血薬(こうぎょうけつやく)療法』を説明した、『ワーファリン手帳』をお渡しているはずです。その中に、ビタミンKを含む食品一覧表があり、それらを食べると作用を減弱すると書かれています。黄緑色野菜のほか、豆類、海藻類、肉類、嗜好飲料など種類の多さに驚かれるでしょうが、適量範囲を守らず一時的に大量摂取した場合薬が効きません。医師のアドバイスに従って食べて貰えば、患者さん(石黒さん)のように薬の血中濃度が高くなることは防げます。血液検査をすればすぐにわかることですが、定期的に測ることをお勧めします」

 通常、飲み薬は水などで飲むと、まず有効成分が腸などで吸収され、肝臓で代謝された後、血流に乗って全身に運ばれ効果を発揮する。一方、食べた食品は胃の中で有効成分と結びつき、吸収を妨げたり肝臓で代謝酵素を増減することで、薬の効き目に影響を及ぼす。
 「薬と食べ物の飲み合わせが悪かった場合、多くは十分な効果が得られず、逆に効き過ぎる時もあります」
 と、東京社会医学研究センター主任の村上剛医師だ。
 「ワーファリン」とタマネギではないが、薬と併用して食べると効き過ぎる場合があり、小さな傷や打撲で出血し、止血しにくい恐れもあると村上医師は言う。

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