「横浜はミスが多いんですよ。バントを空振りしたり、内野手の外野手の間に上がった飛球を捕るのに衝突したり…。こういうミスを続けているうちは、誰が監督になっても厳しいでしょうね」(在京球団スコアラー)
この日も『ミス』が見られた。同点で迎えた6回裏、無死二塁の好機で石川雄洋(23)がバントを空振り。二塁走者・下園辰哉(24)も三塁ベース前でタッチアウト…。広島が勝ち越しに成功したのはその裏だった。
そんな横浜で、奇妙な『スタッフ会議』が行われていた−−。
「交流戦後、一軍首脳陣が招集されたんです。フロント上層部の指示で『打開策』が話し合われたんですが、尾花監督だけが外されました」(関係者)
尾花監督を外すよう指示したのも、フロント上層部だという。
前出の関係者によれば、このスタッフ会議の議案は「チームの戦力分析、今後の編成・補強、育成」とのこと。その通りだとすれば、一軍指揮官である尾花監督がまとめ役を務めるべきだが…。
「監督がいたら、遠慮して言えないこともあるでしょうから」(前出・同)
説明になっていない。
コーチスタッフは意見を戦わせるだけではなく、統一見解を持ったそうだ。今後、指導内容で行き違いがあれば混乱するのは選手である。それを防ぐためだが、このスタッフ会議の内容は島田誠ヘッドコーチ(55)を介し、尾花監督にも伝えられたそうだ。
「尾花監督は理論派ですよ。『コーチ全員の統一見解』と言われてもスンナリ受け入れるとは思えません。島田ヘッドは監督に反論されるのを想定し、根拠をまとめていました」(球界関係者)
現時点では『憶測』にすぎないが、このスタッフ会議の本当の目的は「チームの戦力分析」ではなく、別の何かがあったのではないだろうか。繰り返しになるが、チームの補強、育成に関する話し合いなら、尾花監督がいて始めて成立するのではないだろうか。
「島田ヘッドは自分たちのまとめた意見を伝えるのに、苦労したようですよ…」(同)
プロ野球解説者の1人は「尾花批判ではない」と前置きし、
「尾花監督は自分の考えに自信がある人だから、反対意見を受け入れられないのでしょう。そういう性格を知っていたからこそ、コーチ全体で意見をまとめたという段取りが造ったのではないか?」
と、予想していた。
横浜は01年の森政権以降、「3年以上」務まった監督は1人もいない。あるベイスターズOBは「新監督はチームを掌握するため、ベテランに気を遣う。だから、若手が育たないんだ」と話していた。
指揮官を外してのスタッフ会議以降、一軍首脳陣に亀裂が生じたとの情報はないが、尾花監督の胸中は複雑だろう。フロントは3年以上を託す覚悟でいなければ、横浜は強くならないのではないだろうか。