両国の惨劇再び。8・30両国大会で約20年ぶりにプロレス復帰した船木は「あっという間だったので、余裕がなかった」と振り返るように、みのるとの対戦も不完全燃焼に終わってしまった。
15年ぶりに接触したことで遺恨は再燃。早くもみのるから抹殺を通達されているが「トドメはさせないと思いますよ。キレが前よりも落ちている。みんな気づいてると思いますけど、たぶん(みのるに)余裕はないですね」と反論した。
シリーズ開幕前から舌戦はヒートアップし、緊張感は高まるばかり。9・26横浜大会での一騎打ちは決着戦の舞台となる。船木は「シングルに関しては自分のペースで進めていきたい。(両国では)もっとやりたいことがありましたけど、出せなかった。今までやってきたもの、格闘技の技を徐々に出していきたい。相手をギブアップさせる技が大事だと思います」と予告する。
確かに両国大会ではヒザ十字など、ごく一部の技しか繰り出していなかった。船木の総合格闘技の技といえば、チョークスリーパー、アンクルホールドなど様々な技の使い手として知られている。中でもチョークスリーパーは、1994年10月、両国大会でみのるを締め落とした技。横浜での一騎打ちで再びこの技で失神させるという。
すべては全日マットで生き残るため。「トップに食い込んでいけるだけの実力がなけれれば来年の契約はない。武藤さんもお客さんを呼べないレスラーはいらないでしょうし。“40歳の新人”を育てるのにそう何年も待ってくれない」としゃにむになっている。
この日は、全日プロ道場での全体練習に参加後、大和ヒロシを相手にチョークスリーパーを試し切り。捕獲すると、わずか3秒で昇天させた。
「リングの上にすべて真実がありますから。全部、横浜で答えが出るんじゃないでしょうか」船木が15年前の“悪夢”をもう一度みのるの脳裏に焼きつける。