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新大関 貴景勝が蹴散らす対モンゴル勢「貴乃花の怨念

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提供:週刊実話

 平成最後の場所で貴景勝(22、千賀ノ浦部屋)が大関昇進を決めた。武器は気っ風のいい突き押し一本。伝達式の口上に「武士道を重んじ――」と織り込み、前師匠である元貴乃花親方の思いを背負った“和製大関”の誕生に大相撲界は沸いている。果たして、新元号「令和」に切り替わった大相撲界に新たな旋風を巻き起こすことができるか――。

 飾りっ気はないが、心はあくまでピュア。貴景勝の昇進が決まった3月27日、大阪市内のホテルに特設された伝達式会場で相撲協会からの使者を待ち受ける関係者が注目したのが、貴景勝の述べる口上だった。

 もし、その中に四字熟語が入っていれば、つい半年前まで師匠だった元貴乃花親方に対する思いが濃いことになる。というのも、四字熟語入りの口上を大相撲界に持ち込んだのは、元貴乃花親方が所属していた旧二子山部屋だ。元貴乃花親方も平成5年初場所後に大関に昇進した時、次のように答えている。
「不撓不屈の精神で相撲道に精進します」

 いまだに元貴乃花親方を尊敬してやまない貴景勝だけに、同じように使ってもなんの不思議もなかった。しかし、すでに千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)という新しい師匠がおり、あまり元貴乃花親方色を強く出せば失礼に当たる。

 果たして、どんな口上を述べるのか…。固唾を飲んで見守られる中、その口から飛び出したのは実に無難で、それでいて個性的で、核心をついた文言だった。
「武士道精神を重んじ、感謝の気持ちと思いやりを忘れず、相撲道に精進して参ります」

 このように、四字熟語の代わりに“武士道精神”という言葉を用い、堂々と述べたのだ。これなら、どこからも、何の文句も言われない。貴景勝はこの言葉の意味をこう説明している。
「日頃から勝っておごらず、負けて腐らずということを意識しているが、それは武士道の中から習得したもの」

 武士道は相撲道に通じ、元貴乃花親方が追い求めていたものと一緒。貴景勝は、やはり心の師匠と仰ぐ元貴乃花親方の思いをしっかり受け継ぐつもりでいるのだ。

 その貴乃花親方が強い憤懣を抱いていたのが、白鵬を筆頭とするモンゴル勢の目に余る跋扈だった。
「彼らの『ただ勝てばいい』という品のない相撲が元貴乃花親方には受け入れ難かったんですよ。元貴乃花親方にとって、相撲は生きる道を探る、とても神聖なものです。モンゴル勢はその精神を踏みにじり、『いいように食いものにしている』と怒っていました。あの、一昨年暮れの日馬富士騒動も、この元貴乃花親方のモンゴル勢に対する怨念が原因です」(担当記者)

 つまり、大関に昇進することによって、貴景勝の打倒モンゴルの意気込みも一段と熱くなるはずだ。それを予告するように、伝達式直後の昇進会見で貴景勝は、どんな大関になるか、という質問にこう答えた。
「どんな大関になるかというと、そこで止まってしまう。もう一つ、上に(横綱という)番付がありますから。上を目指して立ち向かっていきます。今まで通り、自分が挑んでいく気持ちに変わりはない」

 もう心の中は、モンゴル勢を叩き潰す思いが渦巻いているのだ。こんな元愛弟子に元貴乃花親方も力強いエールを送った。
「よくやった。でも、これからが相撲道の始まりである。健闘を祈る」

 これからの白鵬対貴景勝戦が見物だが、この春場所、42回目の優勝を飾った白鵬が、「貴乃花の怨念」ともとられかねない逆風に見舞われている。千秋楽の表彰式の途中、土俵下で行われた優勝インタビューで、白鵬が突然、マイクを握った時のことだ。

 「平成の最後なので三本締めで締めたい。(中略)大相撲の発展と皆さんの健康を祈念して」
 と音頭を取って、会場の観客とともに異例の三本締めを行ったのだ。このことが翌日の横綱審議委員会で問題視された。

 「優勝した横綱といえども、一力士としてそういうことをやれる立場にあるか疑問だ。いくら相撲協会を引っ張る第一人者だからと言って、あるまじき行為だと厳しい意見を言う委員もいた」(矢野弘典・横審委員長)

 鶴竜との横綱戦を制して14度目の全勝優勝を決めた直後だけに、ついブレーキが甘くなって出しゃばってしまったのだろうか。実際は、表彰式の最後に「神送りの儀式」があり、そこで手締めをしてすべてを終えることになっている。

 つまり、白鵬の三本締めは明らかに逸脱行為。一昨年の九州場所千秋楽でも同じように観衆を促して万歳三唱を行い、厳重注意を受けているため、この1年半で2回目になる。どこかに、「オレはナンバー1。何をやろうがオレの勝手だ」という自惚れがあるのかもしれない。

 これにはもちろん、協会首脳も渋い顔。28日に理事会を開き、その場に白鵬と師匠の宮城野親方(元幕内竹葉山)を呼び出している。

 「こういうことをやっていると、単なる数字(記録)だけで終わってしまうよ」

 このように、たっぷりお灸を据えたのだ。

 相撲協会のコンプライアンス規定である「土俵上の礼儀、作法など、相撲道の伝統と秩序に違反する行為」に抵触する可能性もあり、これから調査するという。場合によっては、出場停止などの厳しい処分を課される可能性も…。

 5月の夏場所にどう影響するか、予断を許さない状況になってきた。

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