勝者であるエイシンアポロンもデビュー戦から野路菊Sまでが1800メートル、マイルのデ杯2歳Sを2着しての1400メートル使い。この後の道は、クラシックというよりは、朝日杯とNHKマイルCに絞られたといっていいのかもしれない。
ただ、1秒近い馬場差がある稍重でスタート後の2F目に10秒8のラップを踏み、4Fが46秒6、5F通過が58秒3という忙しい流れを外から一気に強襲した内容は強かった。これも1400メートル通過1分21秒9だったタフなマイルのデ杯を使った経験があったからこそ。もちろん、パワー型Giant's Causeway産駒という血統も、粘りのある芝を克服した一因である。
1分22秒0という走破タイムもまずまず。脚質転換にも成功し、タフな東京をこなしたことで、朝日杯の有力候補の一頭に、名乗りを上げたことは間違いない。
日曜日は、芝は良馬場に回復。赤松賞では、アパパネが芝1600メートル1分34秒5のレコードを叩き出し、ブルーミングアレーを2馬身1/2突き放した。しかも、ラスト2F目のレースラップは10秒8。10月以降の東京開催で数字として、キチンと10秒台のラップが出たのは初めてだし、これなら堂々と胸を張って阪神JFへと西下できる。
ちなみにブルーミングアレーは、出し抜けを食らった感。ジワリとゴール前で差を詰めているところを見ると、一瞬のキレというよりは持続力のあるパワー型。キャリアや距離延長で、もうひと皮むける可能性を秘めている。
黄菊賞のダノンパッションは戦ってきた相手を考えれば、あの楽勝も当然。ただ、前開催の萩Sが芝1800メートル1分46秒7。スローの上がり勝負で時計の出にくい一戦だったとはいえ、クラシックまではどうだろう。
新馬戦は谷間といった感じで、4以上の評価をあげられる馬はいなかったが、東京マイルで上がり3F34秒0をマークしたディオーサ、重馬場で34秒2のアリゼオは次走に期待を抱かせる内容。
東京ダ1600メートルを1分38秒5で駆けたロンギングスターも、父ゴールドアリュールというよりは母の父サクラユタカオー譲りの栗毛。芝で大駆けがあるかもしれない。