「台湾の野球熱は低迷していましたが、今年3月にWBCの第1ラウンドが開催され、11月にアジアシリーズがあったことで人気が再点火した。日本でのプレーを夢見る若手も増え、田中将大などは英雄扱い。人気が最も高いチームは、巨人ではなく楽天なのです」(台湾のテレビ局幹部)
その台湾野球界において水面下で進められているのが、イーグルスの本拠地誘致だという。仙台とともに台北にもフランチャイズを設け、野球人気をさらに高めようとしているのだ。
「候補地はアジアシリーズで楽天が統一(台湾)と準決勝で対戦した天母棒球場(台北)です。春と秋の仙台は気温が低い。そこで、この時期に温暖な台湾でも試合をしてもらおうと、キャパシティーを2万人に増やし、迎え入れる準備を進めています」(特派記者)
加えて、楽天の台湾進出をアシストするのがパ・リーグ。6球団で作るパシフィックリーグマーケティング(PLM)が、台湾に新たな市場を期待しているのだ。
「PLMは、来シーズンから台湾のテレビ局3局に、ニュース用の試合映像を毎日提供することを発表した。このプロジェクトを手掛けているのは、楽天のマーケティング部長からPLMに転じた根岸友喜執行役員。その先に捉えているのが楽天の台湾への準本拠地設置であり、パのアジア進出なんです」(スポーツ紙記者)
さらに楽天にはもうひとつの狙いがあるという。
「田中がメジャー球団にポスティング移籍した場合、100億円近い移籍金が入ることから、Kスタのドーム化を計画している。しかし球場がある宮城野原公園総合運動場は県の所有で、都市計画法による建ぺい率などの規制が多く、現状では困難。そこで、公園を広げるなどの協力を、村井嘉浩宮城県知事に台湾移転をちらつかせることで揺さぶっているんです」(同)
いずれにせよ、楽天・三木谷浩史オーナーの商魂は凄まじい。