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闘病104日目で逝った桑名正博さんの 「デビュー40周年ツアー」秘話

 ロック・シンガー、桑名正博さんが、10月26日に亡くなった。伝説のロック・バンド『ファニー・カンパニー』結成に始まり、『セクシャルバイオレットNo.1』などのヒットを飛ばしたソロ時代と、日本のロック界にその名を残した個性派シンガー。59歳の若すぎる死が惜しまれる。

 桑名さんは、7月15日に大阪市内の自宅で脳幹出血により倒れて以来、意識不明のまま闘病生活を送っていた。10月26日未明に血圧が下がり、最後は肺炎を併発。104日目にして力尽き、ついに帰らぬ人となった。
 「家族に看取られての安らかな最後でした。意識不明が長く続いていただけに、みんな覚悟はできていたようです。中でも『まるで一卵性双生児』といわれるぐらい仲の良かったハルちん(妹・桑名晴子)の健気な様子がなんとも不憫でした」(家族ぐるみの友人)

 桑名さんにとって、今年はデビュー40周年の記念すべき年だった。倒れる直前の7月には、全国100カ所ツアーをスタートさせ、11月には記念のベストアルバムの発売が予定されていた。また、このツアーと並行して、少規模でのライブにも意欲を見せ、ライブハウスを中心に積極的に動き出した矢先の不幸だったのだ。
 「40周年と言いますけどね、ホンマは桑名は積極的やなかったんですよ。でも、このままでは『桑名が単なる懐メロ歌手になる』と、親しい友人がみんなで協力して応援したんです。はじめは桑名も渋っていましたが、倒れる少し前には『オレ、この齢でやっと本気になってきた。小さいライブも100回ぐらいやるで』と言ってました」(別の友人)

 性格は気さくに見えて、実は、わがままで寂しがり屋。ライブやコンサートの進め方もいたってマイペースで、いかにもロック・シンガーの性格だったという。
 「倒れる少し前から始めた小さなライブも、客席がいっぱいじゃないと機嫌が悪い。でも最近は、正直、ちょっと忘れられた感じもあったでしょ。そやから僕らも集客には苦労しましたよ。その甲斐あって、桑名もノッてきて楽しみにしてたんです」(同)

 寂しさを紛らわすように“正やん”は、リンカーンの霊柩車に乗り、御堂筋パレードの葬送で賑やかに旅立っていった。

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