小林は、所属していた日本コロムビアが6月に予定していた新曲『絆坂』の発売を無期延期にしたことに業を煮やし、契約解除を申し入れた。
「そこで“俺が面倒を見る”と手を挙げた老舗プロダクションのW氏が、親しいレコード会社関係者を通じて日本最大手の音楽・映像ソフトのレンタル・販売会社『TSUTAYA』に販売ルートを打診したんですが、結局断られてしまった。これで、“手売り”しかなくなったのです」
この小林の“総スカン”状態が、今年のレコ大にも影響したのだ。
「経費削減の理由で、夕刊フジと東京スポーツが今年からレコ大の審査員から外されたんです」
と、スポーツ紙記者は言うが、事情は複雑だ。
「レコ大の審査員は主催する日本作曲家協会がスポーツ紙や一般紙、夕刊紙、通信社に委託しているんですが、各社2票ずつのところ、フジサンケイグループは産経、サンケイスポーツ、夕刊フジと3票だったため、夕刊フジが降ろされることになった。この流れで、東スポもトバッチリを受けたんです」
ところが逆に、レコ大の内情に詳しい大手プロ幹部は、「夕刊フジが東スポのトバッチリを受けた」のだと言う。
「賞レースに参加するプロダクションは、そもそも東スポの報道姿勢を快く思っていない。そんな時、東スポが小林の解任騒動を小林サイドに立って報道した。それがレコ大に絶大な影響力を持つ“芸能界のドン”の逆鱗に触れた。これが夕刊フジにも飛び火したんですよ」
思わぬところに余波が出た。