誰でも知っている分かりやすい画風と、こどもの夢のような奇想天外な設定。主人公が人間でさえ無かったりする藤子不二雄マンガは、A氏の作品も、F氏の作品もとにかく実写化が難しい。いままで香取慎吾主演で「忍者ハットリくん」が映画化されたり、NHK教育で「キテレツ大百科」がドラマ化された。どちらも思ったよりは面白かったが、やっぱりCGを多用する21世紀になった今も、藤子不二雄マンガはアニメで見るのがしっくりくる。
そこへ突然飛び込んで来た「怪物くん」ドラマ化のニュース。たしかに、「嵐」の大野は藤子不二雄マンガに出てきそうな風貌だが、香取慎吾のハットリくんと違って、「怪物くん」は人間では無く“怪物”。そして、ワンピースのルフィ同様(というかこっちが先!)手をグイーンと伸ばして悪い怪獣をやっつけたり、手を顔にあててクルクルして顔を変えたり、いろんな怪物技も出てくる。それよりもなによりも、難しいのが共演者。親友のヒロシこそ人間の少年だが、あとはおなじみフランケン、オオカミ男、ドラキュラなのである。このキャスティングをどうするのか。映画の「ヤッターマン」同様、生瀬勝久(ドラキュラ)とケンコバ(オオカミ男)を借り出して、心やさしいフランケンは嶋田久作あたりが適役か。
人間界に忍び寄る“悪魔族”との戦いはCGをフル活用して何とかすればいい。ああ、実はかねてから原作ファンの記者は、実写版「怪物くん」が楽しみで仕方が無い。ああ〜早く「怪物くん」が始まってくれないだろうか。原作のイメージを壊さずドラマ化するのは難しいかもしれないが、記者(「怪物くん」世代のアラフォー)は解決しがたい「疑問」をいっぱい残しつつ、「怪物くん」の実写化に挑む日テレに大いに期待する。くれぐれも、あまりにも期待はずれだった、同枠マンガ実写化ドラマ・松山ケンイチ主演の「銭ゲバ」みたいにしないでほしい。(コアラみどり)
写真 「ぼくは悲しい怪物っ子よ」が収録されている記者“お宝”の9巻