米国における8月の新車販売台数を見ると、日本の自動車メーカー6社の合計は65万5217台(前年同月比12・6%増)となり、8カ月ぶりに前年実績を上回った。
車種別では、SUVが販売台数を押し上げているという。SUVとは、Sports(=スポーツ)、Utility(=実用的)、Vehicle(=乗り物)、の頭文字をとったもの。
「街乗りからアウトドアまで、オールラウンドに使える車。あおり運転の犯人が乗っていた白い車もSUVです」(自動車評論家)
自動車産業専門の調査会社フォーインによると、2008年に約685万台だった世界のSUV市場は'18年に約2794万台と、10年間で約4倍になっている。
市場拡大を受けて、各メーカーもSUVの品ぞろえを充実。ホンダやトヨタは海外専売になっていたSUVを国内で復活させ、トヨタは'21年に稼働予定の米国の新工場で生産する車種を、当初予定の『カローラ』からSUVに変更した。
ドイツのアウディは、'25年には同社の世界販売台数の半分がSUVになるとの見通しを発表。超高級車ロールスロイスも、同社初となるSUV『カリナン』を発売し、大人気だという。
「この流れはポルシェのSUV『カイエン』が作ったと言っても過言ではありません。世界的にカジュアルが許容され、IT業界などでは巨大企業の社長がTシャツ姿でも違和感がなくなった。車も同じで、SUVで高級ホテルに乗り付けてもサマになる時代になった。SUVはクルマ離れが著しい若者にも人気です」(同)
しかし、SUVと一言で言っても、クロスオーバーSUVを始めとしたコンパクトSUVから、サイズの大きい3列シート・7人乗りのSUVまで様々。国土の狭い日本ではコンパクトな車体が無難かも?