気象庁は緊急会見を開き、地震のメカニズムについて「東西方向の地殻圧縮による逆断層型」と解説し、「今後、最大でM5.0前後、震度5弱程度の強い揺れも考えられる。余震活動には十分注意してほしい」と警戒を呼びかけたが、専門家たちは、それ以上の危機感を募らせているのだ。
「震源は'95年に阪神淡路大震災を起こした『六甲・淡路断層帯』の南端周辺にあたるとされていますが、淡路島中央部には今回の地震を起こした断層と向きが同じ活断層はあるものの、余震分布から判断してそこが動いたとは考えられない。動いたのは“未知の断層”ともいえるのです」(サイエンスライター)
また、今回の地震に関して琉球大理学部名誉教授の木村政昭氏は、こんな指摘をする。
「神戸周辺は、東北地方の日本海から能登半島を経て瀬戸内海、九州、沖縄、さらに台湾へと延びる『日本列島断層』の一部にあります。その関連の中で、巨大地震が起きた10年以上後に余震が起こることもあるため、阪神淡路大震災の余震と思われます」
つまり、今回の揺れは日本列島全体の断層との関連性もあるわけだ。
「太平洋プレートに押され、内陸部のストレスが限界に達している可能性も考えられます。問題は、先日の地震がそのストレスが溜まっている活断層を刺激する可能性ですよ。専門家の中では、もしリスクが高まっている活断層であれば、少しの動きが引き金になるとする向きもあるため心配です」(前出・サイエンスライター)
もし“引き金”となった場合、危険な場所はどこなのか。
「隆起が観測されている東京の立川断層も危ないが、近辺であることを考えれば大阪を縦断する上町断層帯が危ない。もしここが動いて直下型地震が発生すれば、震度7の激震を観測し、4万人以上が犠牲になるという被害想定もあるほどなのです」(同)
怖いのは「南海トラフ巨大地震」だけではない事を思い知らされた。