千葉県出身で中学卒業後に千賀ノ浦部屋に入門し、2010年3月場所で初土俵を踏んだ隆の勝。昨年11月場所の新十両まではおよそ7年余りを費やしたが、そこから5場所で幕内の座を掴むに至っている。そんな23歳に、期待を寄せている好角家も少なくないだろう。
ところで、今回の隆の勝を含めると、角界には今年1年で6名の新入幕力士が誕生している。隆の勝の9月場所がどうなるかはまだ誰にも分からないが、その他の5名は一体どのような成績を残しているのだろうか。
1月場所で新入幕を果たした阿炎と竜電は、どちらも10勝5敗と2ケタ勝利を挙げ敢闘賞を受賞している。また、この両者は4日目に直接対決に臨んでいるが、この時は阿炎が上手投げで竜電を下している。
ちなみに、阿炎はその後3月場所でも10勝5敗を記録し、5月場所(対白鵬)と7月場所(対鶴竜)では金星も挙げるなど健闘を続けている。西前頭4枚目に位置し、成績次第では新三役も狙える9月場所も大いに期待したいところだ。
5月場所で前頭15枚目に位置した旭大星は、前述の2名と同じく10勝5敗で敢闘賞を受賞。北海道出身としては、1992年1月場所の立洸以来26年ぶりとなる新入幕となった旭大星だが、周囲の期待にしっかりと応える好成績を残している。
7月場所で共に幕内に上がってきた琴恵光と明生だが、琴恵光は3勝12敗、そして明生は6勝9敗と黒星が先行し、1場所で十両に逆戻りする不本意な結果となっている。琴恵光は東十両5枚目、明生は東十両2枚目で9月場所を迎えるが、どちらも1場所での幕内返り咲きを強く心に期していることだろう。
3名が10勝5敗で敢闘賞を受賞する一方、2名が幕内の壁に跳ね返されている今年の新入幕力士。“6人目”として晴れの場所に臨む隆の勝は、果たしてどのような15日間を過ごすことになるのだろうか。
文 / 柴田雅人