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「てんかん」だけではない運転中に重大事故につながる怖い病

 4月12日、京都東山区の祇園で、てんかんの持病を持つ会社員、藤崎晋呉容疑者(30=死亡)の運転する軽自動車が17人の歩行者をはね、7人が死亡する重大事故が起こった。警察は、殺人容疑で藤井容疑者の自宅や勤務先の藍染製品販売会社を家宅捜索し、運転時の発作の有無などを慎重に捜査している。
 てんかん発作による事故で思い出されるのは、昨年4月に栃木県鹿沼市で小学生6人がクレーン車にはねられ死亡したケースだが、運転中に重大事故につながる病は、てんかんだけではない。

 世田谷井上病院の井上毅一理事長が言う。
 「糖尿病による低血糖状態、脳血管障害や狭心症発作、それに心筋梗塞や脳出血、脳梗塞、突然の大量吐下血などによって意識を失い、事故を起こす健康障害もあります」

 '09年、横浜市中区で自転車に乗っていた高校生をはねて逃走したとして、道交法違反の罪に問われた男性(46)は重度の糖尿病で、事故当時は低血糖状態で意識障害に陥っていた。そのため、高校生をはねたことも記憶になかったという。裁判では責任能力が争点となったが、一審の横浜地裁では無罪が言い渡されている。
 「糖尿病患者は動脈硬化によって血管がもろくなっているため、脳血管障害や心臓血管障害を起こすこともあります。特に高速道路でハンドルを握ると、血圧が20ぐらい上がる。高血圧、糖尿病などの持病がある人は危険な事故を起こす恐れがあることを十分に注意すべきです。以前、40人もの台湾人旅行客を乗せた大型バスの運転手が、東名高速道路で脳卒中のため意識を失ったこともあります。客が運転を代わって事なきを得ましたが、運転手は急死。危うく大惨事になるところでした」(井上理事長)

 危険なのは心筋梗塞も同じだ。心臓に血液を供給する冠動脈が動脈硬化によって狭窄し、心筋に十分な血液が送られなくなるために起こる。
 警察庁によれば、'11年に起きた運転者の発作や急病による交通事故は254件。他人を巻き込むだけに、ドライバーの自己判断が強く求められる。

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