海外ニュースサイト『Daily Mail』は2011年7月、元恋人を撲殺し殺人罪で起訴されていた当時16歳の少年に有罪判決が下ったと報じた。少年は法廷で「殺したら『朝食をおごる』と友だちにそそのかされたせいだ」と主張したという。
同記事によると、2010年10月、英・ウェールズに住むジョシュア被告は、3か月間交際した元恋人の当時15歳のレベッカさんを郊外の森に誘い出し、そばにあった石でレベッカさんの頭を殴って殺害した。その後、ジョシュア被告からレベッカさん殺害を聞いた男友達の1人が警察に通報。その後、レベッカさんの遺体は犯行現場の森の中で発見された。警察はジョシュア被告を殺人容疑で逮捕、起訴したという。
ジョシュア被告は、男友達2人とメッセージアプリを利用した3人だけのグループチャットで、度々レベッカさんへの殺意をほのめかしていたという。事件の数週間前、ジョシュア被告が「もし本当に殺したらどうする?」とメッセージを送り、「殺したら、朝食をおごってやるよ」と男友達が返信するやり取りがあったそうだ。
裁判中、ジョシュア被告は、レベッカさんを殺害するよう自分をそそのかした男友達2人を非難したという。一方、2人は「冗談のつもりだった。まさか本当に殺すとは思っていなかった」と証言。裁判の結果、ジョシュア被告は終身刑を言い渡された。なお、男友達の2人は刑に処されていない。
このニュースが世界に広がると、ネットでは「自分の知る限りでは最低の犯行動機だ。こんな奴に殺された少女と家族が哀れだ」「たった3か月付き合った相手に殺されたレベッカさんがかわいそう」「たかが1000円足らずの朝食のために人を殺すなんて、ありえない」「殺人をそそのかした少年2人は『ただの冗談』では済まされない。彼らも罰せられるべきだ」といった声が挙がっていた。
つい最近も、「人を殺したら大金を払う」と言われて、殺人を犯した10代の若者がいる。
海外ニュースサイト『ABC News』は6月19日、米・アラスカ州に住む18歳の少女が親友を殺害した事件で、事件に関わった6人全員が殺人罪で起訴されたと報じた。
同記事によると、主犯格のデナリ被告は、事件の数か月前インターネットを通じて、自称「大富豪」の21歳の男、ダリン被告と親しくなったという。ダリン被告は実際は大富豪ではなかったが、デナリ被告は嘘を信じ込んだ。ダリン被告から「誰かをレイプしてから殺害し、その証拠画像や動画を自分に送れば約9億7千万円を支払う」というメッセージを受け取ったデナリ被告は、親友の当時19歳の女性・シンシアさんの殺害を計画。多額の報酬を餌に、知人の16歳のケイデン被告を含む4人を殺人計画の仲間にしたという。
6月2日、シンシアさんをハイキングに誘い出したデナリ被告とケイデン被告は、人気のない場所で、ケイデン被告がシンシアさんの背後から彼女の頭を銃で撃ち抜いた。そのあと2人は、シンシアさんを目の前にあった川に突き落としたという。デナリ被告は、犯行現場とは違う場所までシンシアさんを車で送ったとシンシアさんの家族に連絡したそうだ。犯行後、デナリ被告はシンシアさんを殺害した時の画像をダリン被告に送信したという。
2日後に警察によって発見されたシンシアさんの遺体が、デナリ被告が知らせた場所とは違う場所で発見されたことから、警察はデナリ被告に事情を聞くなどしていた。その後の捜査の結果、シンシアさんを殺害した容疑が固まったとしてデナリ被告を逮捕。。デナリ被告とダリン被告がやり取りしていたメッセージや画像、動画も押収した警察は、芋づる式に他の容疑者らを逮捕し、事件の全容が明らかになったという。
インターネットに慣れ親しんだ10代の少年少女たちの中には、冗談と本気、嘘と真実の区別がついていない者もいるのかもしれない。人を殺めることはもちろん、その行動によりどんな影響があるのか、一時の感情に流されず考えて行動する必要がある。
記事内の引用について
The schoolgirl killed for a bet: Boy, 16, was dared by Facebook friends to murder in exchange for a free breakfast
https://www.dailymail.co.uk/news/article-2019409/Joshua-Davies-16-dared-Facebook-friends-murder-Rebecca-Aylward.html
Alaska teen 'killed best friend after catfish offered $9m'
https://www.bbc.com/news/world-us-canada-48696123