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トランプ大統領へ宣戦布告 中国で加速する対米国「第2のスターウォーズ計画」(3)

 中国が宇宙の中心であり、その文化・思想が神聖なものであるという中華思想は、こうした宇宙開発にも如実に現れていると言えよう。
 前出の宮崎氏が言う。
 「中国で宇宙開発の先頭に立っているのは軍ですが、かつては“軍に入る奴はバカだ”という扱いでした。しかし、10年ほど前からエリート集団と化し、理工系に強い集団になっている。今や民間企業より高給が保証され、若者に人気の職業になっているのが現状です」
 それもあってか、このところ中国によるサイバー攻撃がクローズアップされている。数年前には米国の原発や鉄鋼、太陽電池関連の企業から情報を盗んだとして、中国軍の将校が米国司法省により刑事訴追された。

 世界を脅かすほどにまで成長を続ける中国の宇宙開発。ただし、ここへ来て別の意味での恐怖も囁かれ始めている。
 「中国が2011年に打ち上げ、すでに役割を終えている宇宙ステーション『天宮1号』が制御不能に陥り、地球に落下する可能性があるというのです。もともと『天宮1号』は、軌道上を回り続けた後、寿命が来た際に地球からの遠隔操作によって海洋に落下させるか、大気圏中で燃え尽きさせるはずだった。しかし、制御不能となったため、軌道上にも留まることができなくなってしまったのです」(前出・サイエンスライター)

 中国政府はこれについて、「ほとんどの部分が大気中で燃えてなくなるはずだ」と主張しているが、「落下は今年の後半」というだけで具体的な日付も分からず、もちろん燃え残った場合の落下地点も定かではない。『天宮1号』の重量は約8トンに及ぶという。果たして、大気圏で燃え尽きるという話は信用できるのだろうか。
 宇宙物理学者でハーバード大学教授のジョナサン・マクダウェル氏は、こう警鐘を鳴らしている。
 「『天宮1号』がいつ大気圏に突入するかは、数日前になっても予測できないだろう。6〜7時間前になってやっと分かるのがいいところだ。また、大気圏突入がいつか分からないということは、落下地点の予測もできないということだ」

 防災ジャーナリストの渡辺実氏も、こう語る。
 「地球の70%は海。そのため陸地の住宅地に落ちる可能性は極めて低いだろうが、その可能性はゼロではないということです」

 ちなみに宇宙からの落下物はすべて隕石扱いされ、たとえ残骸飛来で被害が出ても中国からは1円たりとも出ない。“自国第一”のワガママさは米中ともいい勝負といったところか。

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