おかげで今、震災直後のように、再びスーパーやデパートで“震災準備グッズ”が売れているという。
「簡易用ガスコンロ、ヘルメットやロープ、携帯ラジオなどは常に品薄状態です」(大型スーパー店員)
やはりと言うべきか、こうなると、この状況に便乗した悪辣な詐欺を働く連中が出てくるようだ。
「ネットで購入した場合の被害が多いですね。中には『防災セット』と称して実際に送られてきたものが、長さ50センチもないロープ、懐中電灯がライト付キーホルダーだったりというのもある。たちが悪いのは、クレームが来るころにホームページごと削除して売り抜けていることです」(消費者センター関係者)
ほかにも「放射性物質が除去できる浄水器」や「前日に地震を予知できるアラーム」などの怪しい代物が売られていたらしい。
「最近も手が込んでいます。カーナビに入れるソフトで『緊急避難場所がリアルタイムで表示されるソフト』は、ただ小学校や中学校をマーキングしているだけですし、地震でも優先的にメールがつながるアプリなんていうのもありました。民衆の不安に便乗してひと儲けしようとする連中は、雨後の筍のごとく出てきますからね」(同)
まともな思考が働かなくなり、だまされやすくなる「パニック心理」は、事故やトラブルも引き起こす。
「『アパートの耐震性に問題があって引っ越すから金を送って』などというオレオレ震災準備詐欺まで出現しています。普段から自分の身は自分で守るという心構えが大切です」(防災コンサルタント)
備えあれば憂いなしだが、無警戒な備えは憂いが大ありということだ。