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巨大地震5秒前 ここが最も危ない日本列島震源地マップだ(2)

 危ないのは何も大阪だけではない。首都東京も非常に危険な状態にある。
 「東京は、フィリピン海プレートと日本が乗っているユーラシアプレート、そして太平洋プレートの交差点なんです。しかも、陸には関東ローム層が厚く堆積しているため、実は地下がどのような構造になっているかもよくわかっていない。“未知の活断層”が動き、とてつもない被害が出る可能性もあるのです」(前出・村上氏)

 判明している東京都内を走る断層で、専門家の間で「すでにリーチがかかっている」とされているのが、『立川断層帯』だ。
 「立川断層帯は、埼玉県の名栗村から東京都青梅市、立川市を経て府中市に至る長さ約33キロの断層帯です。最新活動時期は約2万年前〜約1万3000年以前で、平均活動間隔は1万〜1万5000年程度。そのため、今後30年の間に地震が発生する可能性が比較的高いグループに属しているのです。注目は、この断層帯が隆起していること。この隆起が太平洋プレートに押され悲鳴を上げている証拠とする見方もあり、動くのは時間の問題とされているのです」

 東京を脅かす直下型地震発生場所は陸地だけではない。東京湾地下で直下型と同様な激震を引き起こす、相模トラフを震源とする巨大地震は、210年の周期があるといわれている。
 「周期を三つに分けると、最初の70年は何も起こらない時期、その次は地震が観測され始める時期、そして最後の70年は活動期。今は“2期目”に入っているため、そろそろ直下型の地震が起こっても不思議ではありません」(村上氏)

 一方、東日本大震災で甚大な被害を出した仙台市内にも、南北に『長町−利府断層帯』が走っている。
 「活動の周期が3000年以上の断層帯なのですが、最新の活動が1万6000年前。つまり、こちらも動いておかしくない状況にある。仙台は以前から“地震の巣の上”に街があるといわれ、たとえば楽天の本拠地であるKスタ宮城球場の近くも断層が走っています。震災や余震もあって宮城県沖が注目されがちですが、陸地での直下型も危ないのです」(前出・サイエンスライター)

 また、関東西部から九州まで東西全長1000キロ以上も続く『中央構造線断層帯』は、日本最大級の断層だ。そのうち、紀伊半島から伊予灘に至る断層は360キロにも及ぶ。
 「問題は伊方原発(愛媛県)の沖合数キロの海底を、この中央構造線が走っていることです。直下型の強烈な揺れが突き上げれば、福島第一原発の二の舞どころか、手のつけられない状態になることも十分に考えられます」(地元紙記者)

 最後に九州地方だ。全国には約2000もの活断層があるとされるが、そのうち今年に入り見直された九州は、かなりの危険率となっている。
 「地震調査研究推進本部が九州の28の活断層を分析した結果、今後30年の地震発生確率が極めて高いことが判明したんです。九州全域でM6.8以上の地震が発生する確率が30〜42%ですから、ハンパな数字ではありません」(前出・サイエンスライター)

 なぜこのような突出した数字になったのか。地震調査研究推進本部の関係者が言う。
 「今回の長期評価では、個別の活断層の確率を出した上で、どこかでM6.8を超える地震が今後30年間に少なくとも1回発生する確率を割り出したのです。地域内の活断層の数値を加算していく算出法のため、活断層が多いほど確率も高くなったわけです」

 つまり、再調査で個別の活断層の確率も高くなり、九州全域全ての活断層の動きを反映したため、計算上確率が高くなったという。しかし、この発表があまりに衝撃的だったために「専門家の間でも日本中の活断層を再評価しようという機運が高まっている」(サイエンスライター)という。

 今後も全国各地の高い数値が続々発表され、脅かされる日は続きそうだ。

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