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“門前薬局”ボロ儲け! 薬価引き下げでも日本医師会から上がる不満

 政府は2018年度予算案の焦点だった医療費の診療報酬の改定率を、薬価部分で引き下げることを閣議決定したが、以前より日本医師会などからは「薬局が儲けすぎだ」と反発する声が上がっていた。

 厚生労働省は、薬の処方を決める医師が販売まで行うと、医師が販売価格と仕入れ価格との“薬価差益”を求め、不必要な薬まで出して患者が薬漬けになってしまうという批判から“医薬分業”を押し進めてきた。
 「その結果、薬局の数が急増した。特に大手の薬局チェーンは資本力にものを言わせ、“門前薬局”と呼ばれるように大学病院や大手病院の近くに調剤薬局を置いている。そのため、昔からあった薬局などの死活問題にもなっているんです」(医療ジャーナリスト)

 医薬分業により、ジェネリック医薬品の推奨や多重投与の問題解消などの長所はあるが、患者の負担は膨れ上がっているのが実情だ。
 「例えば、患者が6360円の薬を購入する場合、院内処方ではプラス940円で済みますが、院外処方だと医師の処方料790円に加えて、薬局の取り分になる調剤報酬として調剤基本料550円、調剤料1140円、薬学管理料430円の、プラス計2910円になる。“門前薬局”の大手薬局チェーンは黙ってても患者が集まり、ボロ儲けです」(薬剤師)

 この事態に日本医師会などからは“薬局が医療機関より儲けている”と反発の声が高まっていたという。
 「患者にとっては、医療機関でそのまま薬を買えた方が薬局まで行くという手間暇がかからず、費用も安く済む。医薬分業は現段階では患者のためになっていません。また、調剤薬局チェーンの調剤報酬制度を悪用した請求事件も続出している。調剤報酬の基準をクリアするために実際に薬を調剤した薬局とは別の薬局に、社員や家族の処方箋を送付し、送付先の薬局で調剤したものとして請求するという悪質なものまで出ているんです」(前出・医療ジャーナリスト)

 今後も医薬分業の是非が問われることになりそうだ。

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