「鈴木前夕張市長は菅官房長官、石川候補は小沢一郎自由党代表が共に裏で陣頭指揮を執っていると聞く。どちらが勝っても北の大地を押さえれば、夏の参院選に弾みがつく。双方、総力戦だ」(選挙事情通)
北海道新聞社の最新の世論調査では、鈴木前夕張市長がやや先行という。だが、無党派層を中心に約4割が投票先を決めていないことから、勝負はこれからが本番ともっぱらだ。
北海道知事選最大の争点は(1)JR北海道赤字路線問題(2)泊原発再稼働問題(3)カジノ誘致問題の3点セットが中心となる。
「JR赤字路線について鈴木氏は13の赤字路線をバスなどに代替、石川氏は工夫しての維持。泊原発は鈴木氏は明言を避け、石川氏は再稼働ノー。カジノ誘致も鈴木氏は明言を避けるが、高橋はるみ現知事は誘致派なので賛成の方向。すべてで対立しています」(民放テレビ政治担当記者)
鈴木氏は高卒で’99年都庁入都。夕張市破綻時の支援を契機に、’11年に夕張市長に当選。以来、夕張市再建に命をかけてきた。菅官房長官とは同じ法政大卒業で、共に苦労人という点で肌が合うらしい。
「菅氏との太いパイプが鈴木氏の柱。ジャニーズ張りのイケメンで女性層、特に主婦層に人気が高い」(同)
石川氏は小沢代表の元秘書。小沢代表の政治資金団体『陸山会』の問題で有罪判決を受け、’13年、衆院議員を辞職した。
「先の衆院選では公民権停止の知裕氏に代わり、妻の香織氏が立憲民主党公認で立候補、自民の中川郁子氏に大差をつけ当選した。今回の選挙戦も美人妻との二人三脚が大注目です。北海道は国の意向に右へならえではなく、反逆精神が旺盛な土地柄だから、結果は最後まで蓋を開けないと分からない」(政治部記者)
当初、自民党は自民道議や和泉晶裕・国交省北海道局長を推す声が大勢を占めていた。しかし、鈴木氏をゴリ押ししたのが菅氏と創価学会の佐藤浩副会長ラインだという。
「鈴木氏擁立に自民内では今も不満が燻り、選挙終盤戦の危惧も広がっている。さらに、プーチン大統領に翻弄される北方四島返還問題でも安倍自民への道民不信は高まっている。危機感を抱いた菅氏は、3月23日に小泉進次郎氏を訪道させテコ入れしたほど」(同)
石川氏の影の選対本部長、小沢代表はデニー玉城・沖縄県知事を石川氏支援で送り込んだのに続き、反原発の小泉純一郎元首相を「泊原発ノー」で動かそうとする情報も流れている。