「前回('09年4月〜'10年9月)も予算を使い切った時点で終了したのですが、トヨタのプリウスが絶好調だったことから『プリウス減税』と皮肉られた。今回だってプリウスと去年の暮れに発売したHV車のアクアが断トツの人気を集めており、トヨタ圧勝は確実。豊田章男社長は含み笑いをかみ殺すのに苦労しているに違いありません」(関係者)
とはいえ、トヨタとて決して一枚岩ではない。章男社長といえば、周囲をイエスマンで固めることから“裸の王様”の異名を取る。さらには、血税を財源とするエコカー補助金でトヨタの懐がタップリ潤い、それが章男社長の“わが世の春”安泰に直結するとあっては、納税者の心境は非常に複雑だろう。
「前回の場合、打ち切りと同時に反動が出た。それが円高と重なったことからトヨタは大きなダメージを被り、売上高では日産を圧倒しながらも、本業の儲け(営業利益)では逆転される屈辱を味わった。その教訓からいうと、今回だってどうなるかわかりませんよ」(トヨタ・ウオッチャー)
父親の章一郎名誉会長は御曹司の社長就任と同時の“世界一奪取”が悲願だった。それが就任と同時に転落し、いまや販売台数では日産・ルノー連合の後塵を拝する始末。
章男社長が本業で存在感を発揮するのが、今のところエコカー補助金だけというのも実に皮肉な話である。