「直近の各種世論調査では、小池氏の支持率は、一時ほどではないにせよ60%台。対して、都民ファーストの支持率は20%程度。あまりにも格差があり、このままでは都議会運営を円滑に運びたいという小池氏の思惑通りとはいかない。代表就任は、そうした小池支持=都民ファーストのレベルに引き上げたいという狙いがあります。加えて、前代表の野田数氏に複数の週刊誌から金銭疑惑や六本木のクラブ豪遊などを取り上げられた負の面の一掃もある」(都政記者)
一方の自民党も、小池氏が自民党政治を安倍首相の加計学園疑惑に結びつけ、“忖度政治”と皮肉るのに対し、二階幹事長が「あっちの選挙、こっちの選挙と言っている場合ではないだろ。最大の仕事は豊洲移転問題に決着をつけることでは」と負けていない。
そんな中、小池氏周辺関係者は、今回の離党と代表就任について、こう囁いたという。
「都議選の意味合いだけではない。その先に“7人”が担ぎ上げる、小池劇場第二幕への狼煙だ」
その狼煙とは何か、そして7人とは誰なのか。別の小池氏周辺関係者も、「確かに小池さんの動きは、かなり先まで見据えたもの。つまり小池新党を近いうちに発足させるための準備ということ」と断言した上で、こう語る。
「都知事就任直後は、いつかは国政再進出という絵図が小池さんの中でうっすらとあった。ただ、当時は都政をまっとうし、地域政党をしっかり根付かせてからという意識のほうが強かったのです。しかし、それをガラリと変える出来事があった。東京五輪の仮設施設費用を巡る問題です。菅義偉官房長官の姦計により“決められない知事のおかげで、最後はようやく官邸主導で都が500億円を負担することに落ち着いた”という形にハメられてしまった。ほかにも何かと国の力で抑えられ、都知事の力の限界をこの短い期間で十分に分かったのでしょう。そのダメ押しが、五輪予算の件だった」
都議選の各種世論調査でも、“一時の都民ファースト圧勝”の状態から風向きが変わり、自民が現有議席に匹敵するまで盛り返すという結果が続き始めた。
「しかし小池氏は、独自の最新調査により自民が安倍首相の森友学園と加計学園疑惑の影響で再び失速し、都民ファーストが有利になりつつあると読んで、決断をしたのです。この機会に自民党を離党して自ら旗を振り、同時に国政にも小池新党を立ち上げれば、両学園の問題をうさん臭く見ていた都民が一気になびくと考えた。つまり、都と国政の2本立てでの作戦に切り替えたわけです」(同)
ただ、国政での新党立ち上げには、都知事である以上、自ら看板としては動けないことから、国会議員の同志がいなければ難しい。確かに国政進出には国政選挙で勝てばいいが、次の衆院選もはっきりしない中、ただ待っているだけでは座して死を待つばかり。そんな時間と費用を圧縮するには、現国会議員5人以上を揃え、“小池新党”として国会内に作ってしまうほうが手っ取り早い。
「その5人を核に次の総選挙を戦い、離党組を取り入れ、さらに有力新人候補を加えていけばいい。そして小池さんは東京五輪を完遂後に国政進出し、首相の座を目指すのではないか」(同)