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永田町血風録 新型インフルエンザ対策が解散・総選挙のカギ

 民主党幹事長・鳩山由紀夫が、自民党総裁で首相・麻生太郎に「早く衆院を解散し、国民にその信を問え」と国会の演壇から、こう挑戦状を叩きつけた。

 西松建設の違法献金事件で、民主党代表・小沢一郎の公設第1秘書が逮捕・起訴されたことで、民主党の支持率はこのところわずかだが、自民党を下回っている。
 “小沢ショック”がないとしていた鳩山も「事件の影響なし」とは言えなくなったこともあってか、麻生の口から「解散」の言質を何とかして引き出そうと、あの手この手を使い始めた。
 しかし民主党には、この事件が“負の遺産”として重くのしかかっているのは否めない。それよりも矢継ぎ早に出してくる麻生の経済政策に民主党ほか野党はことごとく後手に回り、これといった目新しいことをやらないものだから、国民は民主党支持から少しずつだが離反している。
 副代表・石井一は「今の日本の政治を救うのは小沢しかいない」と、かつての盟友を必死で庇(かば)っている。鳩山も、やはりかつては小沢と同じところで政治を学んだ関係から当然のように庇うが、小沢の責任説明がなされていないのをもどかしく感じている。

 そこへ今回の発生した新型インフルエンザ事件。麻生もこの対応に真剣だ。「政治の責任にされるのはかなわない」と、厚労相・舛添要一に新型インフルエンザの“水際対策”に全力を尽くすようにと指示し命令もした。先の鳥インフルエンザもそうだったように、その対応はすべて政治の責任になってしまう。「この事件、対応がまずく日本に上陸された場合、ようやく支持率が上向いた麻生政権も、命取りになりかねないし、そんなところで解散・総選挙とは言えないだろう」とは、自民党のある領袖のコメントだったが、日本人感染者が確認され、その危ぐも現実に直面している。
 なかには、この新型インフルエンザによって、解散・総選挙の日程が先送りになったとみている国会議員も少なくない。確かに経済問題は先が見えない状態だ。そんななかで衆院を解散して国民にどうでしょうかなどと問うと、「自分の生活も危ないのに何を言うか」と、はり倒されそうな雲行きである。だからと言って、遅くとも任期いっぱいまでだとしても、国会議員は気もそぞろで選挙区のことがしきりと気になっているのだ。「選挙の関心を高めるため、取って付けたような世襲制の問題など、国民の関心を高めそうな話題を次々に各党が出し合っているのだ」とは、永田町のやじ馬たちの弁である。
 この時期、国民の政治への関心は、自民党と民主党の2大政党の“言動”ばかり。ほかの政策も「遅まきながら話題を提出していこう」とその気になり始めている。新型インフルエンザが果たして与党も野党も、それをチャンスにして選挙運動の“糧(かて)”になるかどうかはこれからが勝負だ。(文中敬称略)

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