染之助さんは兄である海老一染太郎さんと「お染めブラザーズ」を結成。江戸時代から伝わる伝統芸能「太神楽曲芸」を武器に、傘で「まり」やサッカーボールなどあらゆるものを回し、「おめでとうございます!」と叫ぶ芸で人気を博した。
とくに、正月には欠かせない存在で、各局に引っ張りだこ。その姿を見ない日はないといわれるほど。染之助さんは曲芸担当で、兄である染太郎さんは「喋り」担当。その掛け合いも人気の秘密だった。
そんな染之助・染太郎さんだったが、2002年に兄である染太郎さんが他界。相棒を失った染之助さんは、1人で芸人を継続し、江戸の伝統芸能を守り続けた。
ところが、近年は高齢となったこともあり、体力の衰えから事実上引退状態。3年ほど前から体調を崩していたそうで、入退院を繰り返していたという。
長年「正月の顔」として活躍してきた染之助さんに、ネットからも「寂しい」「昭和がまた終わった」「ショックだ」などと惜しむ声が続出している。
「染之助・染太郎さんは、太神楽曲芸にコミカルな喋りを入れた芸で、長年伝統芸能を守り続けてきました。海外公演でも高い評価を受けていますし、その功績は大きいと思います。長年走り続けてきた染之助さんの死は残念ですが、ゆっくり休んでほしいですね」(芸能関係者)
今頃、あの世で復活した染太郎・染之助さんが「おめでとうございます」と叫びながら、芸を披露しているかもしれない。ご冥福をお祈りする。