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警戒せよ! 11月“満月”に襲う巨大地震とスーパー台風

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提供:週刊実話

 10月12日夜〜13日未明にかけ東日本を縦断した“過去最大級”の台風19号は経験したことのない被害をもたらした。死者は70人以上(17日正午時点)、河川の決壊、氾濫、そして土砂崩れなど日が経つにつれ被害状況は拡大する一方だ。

 台風19号は強大な勢力を維持したまま12日夜に静岡・伊豆半島に上陸、広範囲にわたり記録的な大雨をもたらしたのが特徴だ。ここで忘れてならないのは、台風が接近する中、千葉県南東沖を震源とするM5.7、震度4の地震が発生したこと。深さは80キロだった。

「千葉県南東沖でM5.5を超える地震は、2004年以来15年ぶりのことです。震源付近では東日本大震災の直前にも震度4の揺れがあった。今回の震源は相模トラフの北側です。そのあたりで過去に数回、深さ50〜100キロで同程度の地震を引き起こしたことがあります」(サイエンスライター)

 千葉県南東沖を震源とする地震について調べてみると、1964年11月にM5.1が発生した10日後に、茨城県沖と茨城県南部、その後、福島県でM5を超える地震が起きている。さらに、連続して茨城県沖と茨城県南部でM5超えの地震後、福島県でもM5を超える地震が起きているのだ。

 また、1986年6月に千葉県南東沖でM6.4が起きると、3日後には岩手県内陸南部でM5.0の地震が発生している。さらに続けると、2011年2月、千葉県南東沖M5.2の5日後には福島県沖でM5.4、震度4の地震が襲っている。そして、同年3月11日、M9.0の東日本大震災――いわば、千葉県南東沖は大地震を引き起こす起点になっているともいえるのだ。

 今回、発生したM5.7の規模からして首都圏への影響を考えると、
「震源の深さが80キロではなく、20〜30キロと浅ければ、震度5か6の強い揺れになっていたはずです。不幸中の幸いですね」
 と語るのは武蔵野学院大学特任教授の島村英紀氏。
「つまり、首都直下地震になっていたかもしれないということです。しかも、山間部では、超大型台風の暴風雨で地盤が緩み切っていただけに、震度5、6の揺れで至る所で地滑りが起こっていたかもしれません。本当に震源が深くて助かった」(同)

 今回は九死に一生を得たものの、海溝型地震がなくなることはない。巨大地震Xデーへ向け、より一歩近づいたことになる。

 心配な点はまだある。
「実は、この付近でプレート同士が地中の境界でゆっくり滑る現象のスロースリップが発生し、地震を誘発しているんです。当面は続く可能性がある」(防災ジャーナリスト・渡辺実氏)

 千葉・房総半島沖では2〜7年の間隔でスロースリップが起きるのが特徴だ。陸側と海側のプレート境界が約1週間で10センチ程度ずれ、群発地震を誘発しているのである。
「それが将来的に巨大地震につながらないか懸念されているんです」(同)

 さて、台風19号はなぜ勢力が衰えないまま東日本各地を直撃したのか。
「これほど台風が発達し、衰えにくい背景には、海水温の高さがあります」(同)

 実は、海洋の温暖化が着々と進行しており、日本のはるか南海上では、海面水温が29〜30度と平年よりも1〜2度高い状態が続いているという。
「台風は27度以上で発達する。この暖かい海域で、水蒸気をふんだんに海面から補給し、最高ランクの巨大台風にまで発達したのが、今回の19号でした」(同)

 海面だけではなく、深さ数十メートルくらいまで水温が高い可能性もある。台風が海水をかき混ぜても海面水温は下がらないからだ。
「温暖化で台風が発達しやすい環境になっているのです。今年は太平洋高気圧が例年より強く張り出していた。そのため、その縁を回るように北上した後、偏西風の影響で東に進路を変えて伊豆半島に上陸し、神奈川、東京、埼玉、茨城と縦断したんですよ。10月に上陸することは珍しいことではない」(気象予報士)

 千葉県に甚大な被害をもたらした台風15号(9月9日、千葉市付近に上陸)も似たような進路をたどった。1990年11月30日、和歌山県白浜付近に台風が上陸した例もある。2度あることは3度あるではないが、これからスーパー台風が関東地方を襲っても不思議ではないわけだ。

 ここで地震について話を戻すと、台風19号上陸直前に発生した千葉県南東沖M5.7地震は、満月(10月14日)のもとで起きている。

 東大の研究者チームが、40年以上にわたるデータから世界各地で生じた地震を分析した。その結果、M5.5以上の大地震が発生した時期、大潮になる時期、月や太陽から地球が受ける重力の影響が大きくなる時期に因果関係があることを示す研究論文を学術誌『Nature』に発表した。

 それによると、2004年スマトラ島沖地震、2010年チリ地震、2011年東日本大震災などM8.8を超える巨大地震は、満月または新月の前後に発生していたことが判明。つまり大潮の時期には、海底の地殻プレートへ潮汐による多大な力がかかる。そこへ太陽や月の引力も加わることで大地震に繋がるという。

 次の満月と新月は10月28日(新月)、11月12日(満月)。前述したように、南の海上で再び“過去最大級”の台風が発生する可能性がある。10月末〜11月中旬にかけて大地震のダブル急襲となる条件は整っている。

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