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日米小売店戦争勃発!? 日本一イオンvs世界一ウォルマート ダイエー争奪戦の裏に潜む筆頭株主丸紅の思惑(1)

 大手スーパー、ダイエーが騒々しい。同社第2位株主(約20%保有)のイオンが、筆頭株主の丸紅(約29%保有)に株式の買い取りを打診したと、3月17日付読売新聞が報じたからである。

 この報道に市場は素早く反応。翌18日、ダイエー株は制限値幅いっぱいのストップ高となる80円(34%)高の317円となり、久々に人気を呼んだ。
 それも無理はない。読売の報道によると、丸紅から10%程度の株式を引き取ったイオンは、さらに公開買い付け(TOB)で過半数の株式を握り、子会社化を視野に入れているというのである。TOBを行う場合、株価に3割から6割程度の上乗せ価格をつけるのが一般的。イオンがダイエーを子会社化しようとすれば、それ相応のプレミアをつけるに違いないと先読みした投資家が、ダイエー株にいち早く殺到した図式なのだ。

 ところがイオン、丸紅、ダイエーの3社が揃って読売の報道を否定したこともあって、19日は前日比18円安で引けた。市場には「読売のガセネタじゃないのか」との冷めた声がくすぶっているが、地場証券役員は懐疑的だ。
 「取締役会議など正式な機関決定が出る前ですから、フライング報道の否定は当然です。まして子会社化に意欲を燃やしているイオンの場合、報道で株価が一気にフィーバーすれば買い取り価格が高騰する。逆に株価急騰がウエルカムなのは、高値で売り抜けたい丸紅の方。そう解釈すれば、読売スクープの裏事情が透けてくるというものです」

 売上高約5兆2000億円(昨年2月期)のイオンが、ダイエー(同約8700億円)を子会社に組み込めば、売上高6兆円超の巨大流通グループが誕生することになる。ライバルのセブン&アイ・ホールディングスとは1兆円以上の決定的な差がつくことになり、企業買収を繰り返すことで成長してきた岡田元也社長の血が騒がないわけはない。
 しかし、岡田社長の思惑通りに運ぶとは限らない。注目すべきは世界最大の小売業、ウォルマートの対応だ。同社は2002年に西友の支援に乗り出して以来、総額2500億円を投じて全面支援し、倒産寸前だった同社を黒字企業に変身させている。だが、西友再建だけで満足するウォルマートではない。
 「7年前、ウォルマートは丸紅に対して西友とダイエーの経営統合を持ちかけ、ダイエーとの連携を模索するイオンを強く牽制しました。これに危機感を募らせたイオンは、ダイエーグループのマルエツと資本提携し、傘下の食品スーパーとの一体運営を唱えて丸紅を説得、やっとウォルマートの排除にこぎ着けた経緯があります。今回はイオンが先に動いた。ウォルマートが黙っているわけがありません」(流通関係者)

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