「住宅ローンが支払えず、家を失うことを恐れて、簡単に金を借りられるキャッングに手を出すと、借金地獄にハマる可能性が高い。返済が膨らんで、自己破産に追い込まれるケースも出てくる。キャッシングに手を出すのは危険です」(金融アナリスト)
オンライン型住宅ローンサービスを運営する『MFS』の調査によれば、コロナ感染拡大の影響で、約4割の家庭が住宅ローンの返済に苦しんでいる。今後、困難になると予想される家庭を含めると、約7割が不安を抱えているという。
「住宅金融支援機構に寄せられる住宅ローン返済の相談件数は、2月に20件だったのが、3月に200件、4月に1200件、5月は電話がつながらないほど急増している。その大半は『今月の支払いができない』『夏のボーナスが支給されないのでボーナス払いは無理』といった切羽詰まった内容です」(支援機構関係者)
住宅ローンは返済が1日遅れただけでも、借りている銀行から督促の電話がかかってくる。2カ月間支払いが滞った場合、事故物件ということでブラックリスト入り。銀行によっては1カ月支払いがないと、すぐ事故物件扱いするケースまである。
住宅ローンを組む人の大半は優遇金利制度の適用を受けているが、返済が延滞した場合、契約書には「延滞が発生したときは金利優遇の対象外」と書かれている。そのため、手軽に借りられる消費者金融などのキャッシングに手を出すケースが増えているのだ。
「キャッシングの金利は現在の低金利下でも14%前後。1時間以内で貸し出す消費者金融もあります。しかし、コロナ禍が長引けば翌月、さらに翌々月…と手を出し、金利は雪だるま式に膨れ上がっていき、最終的に家を手放すことになる」(前出の金融アナリスト)
やはり「ご利用は計画的に」としか言いようがない。