この“懲りない男”安村信男被告(49)が、そもそも裁かれていたのは、こんな事件だ。
「昨年2月、練馬区内のスーパーでカミソリの替え刃2個など、約3000円の万引きをして車に乗り込んだところ、安村被告を追跡していた保安員の男女ともみ合いになった。その上、車のドアを追突させるなどして怪我を負わせた、という強盗致傷罪でした」(司法記者)
起訴後、安村被告は保釈され、11月7日の公判で「もう二度と万引きはしません」と涙ながらに誓っていた。しかしその直後、また万引きして逮捕されてしまったのである。このため翌8日に予定されていた判決は延期。結審後に犯した万引きの窃盗罪を併合して審理することになったのだ。
結審後の万引きで盗んでしまったのは、ちらし寿司など計8点。そもそも裁判沙汰になるのはこれが初めてではなく、被告には過去に窃盗での服役前科がある。6年前から万引きをはじめ、事件当時は月に2度ほど万引きしていたというから、盗みグセは深刻だ。
さらに今回、結審後に万引きに及んでしまったことで事態を重くみたのか、9日の公判では「衝動的に物を盗んでしまう病気なので、専門施設で治療させてほしい」などと、弁護側が執行猶予を訴える場面も。
「しかし、判決で裁判所は『服役後に治療は可能。実刑を免れる理由とはいえない』と退け、懲役3年6月も言い渡しました。ただ、保釈中に万引きを犯してしまっているのにまだ保釈されていて、黒いダウンにジーンズと、自由人な装いで法廷に現れていましたよ」(同)
そのときは神妙な顔で判決を聞いていた安村被告。裁判の合間に万引きした今回のように、将来、治療の合間に万引き…などとならなければよいが。