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専門医に聞け! Q&A “不整脈”の診断を受けたら早急に対処を

 Q:風邪を引いたのがきっかけで、呼吸が苦しくなりました。近所のクリニックで肺のレントゲン検査をしたところ異常はなく、不整脈の一種の心房細動かもしれないと言われ、精密検査ができる大きな病院を受診するように言われました。アドバイスをお願いいたします。(52歳・証券会社勤務)

 A:不整脈とは、心拍(脈拍)に異状が起きる病気の総称です。
 健康な大人の心拍数は普通、毎分50〜100回の範囲におさまり、平均70回程度といわれます。不整脈は、安静時に100回を超える「頻脈」、50回未満の「徐脈」、脈が飛んでリズムが乱れる「期外収縮」に分けられます。
 以上のうち、「心房細動」「発作性上室性頻拍」「心室頻拍」「心室細動」「WPW症候群」などが頻脈を起こす代表的な病気です。
 ご質問の「心房細動」は、心房が細かく震える不整脈です。心臓は左心室、左心房、右心室、右心房の四つの部屋から成っています。左心房は、肺で酸素化された血液をためておく部屋です。ここから左心室へ血液が送られ、そして血液は大動脈を通って全身に送られます。

●大きい病院で検査を
 その左心房が痙攣を起こすと、左心室にスムーズに血液が流れないため、左心房が拡張して血液が鬱滞します。そのため血栓ができ、これが左心室から大動脈へ飛ぶと脳の血管に詰まります。左の脳血管に詰まると、右側の片麻痺や呂律困難が急に起こります。
 脳梗塞には、脳の血管の動脈硬化が原因のものもあり、心房細動によるものは、麻痺などの後遺症が重いことがわかっています。
 心房細動には、急性のものもありますが、慢性化するケースも。慢性化し、左心房が拡大してくると危険です。
 ご質問の方は早急に総合病院や大学病院を受診し、検査を受けましょう。不整脈は心電図で調べられますし、左心房が拡大しているかどうかは心臓エコーという簡単な検査でわかります。
 治療は、抗凝固薬の内服が勧められています。低容量のアスピリン製剤を朝一回内服するのが一般的です。
 また、脳血栓症の危険が高いと判断される(左心房の拡大が著名、糖尿病がある、心臓弁膜症があるなど)場合は、これまではワーファリンが使われていました。
 この薬は一カ月に1回採血して効きを確かめたり、薬の効きが悪くなるため納豆を食べられないなど面倒なことがあります。
 今ではこの薬に代わり、採血や食事制限のない薬も保険が効くようになりました。薬については、循環器の専門医へ相談するとよいでしょう。

牧典彦氏(アレルギー専門医)
自律神経免疫療法(刺絡)や加圧トレーニング、温熱療法、オゾン療法など保険診療の枠に捕われずベストな治療を牧病院(大阪市)で実践。小山病院(大阪市)院長。

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