TVでも放射線被曝基準の単位が誤って報じられたり、我が国の首相である管総理までもが「放射線」を「放射能」と発言し「原発に詳しい」と言い切る始末で何を信じればいいのか国民の不安は拡がるばかりである。
そもそも「放射能」ではなく「放射線」の値が報じられるのは何故か? 原発設計・管理センター(実際の名称ではない)で泊まり込み勤務中のA嬢に守秘義務ギリギリの質問をぶつけてみた。
「『放射線』は自然界にある光の波のようなもの。食品や夜光塗料にも含まれます。世界平均1人当たり年間約2.4ミリシーベルトの自然放射線を浴びています。CTスキャンは6.9ミリシーベルト、ブラジルのガラバリでは年間10ミリシーベルトの自然放射線が降り注いでいます。『放射能』は『放射性物質』を放つエネルギー力。東京都内での放射線物質セシウムの計測値は、一年間に人間が浴びる放射線量をはるかに下回っています」
(1シーベルト=1000ミリシーベルト=100万マイクロシーベルト)
「企業や団体間の壁をなくし、会見に対応する代表者も従事者と同程度の知識と明瞭な説明方法を身につけてほしい。それが欠けていたから連絡系統に問題が生じ、不必要な混乱を招いた」
では、東京近県の被曝対策はどうすればいいのだろう?
「先ほども述べた通り、放射性物質の計測値は非常に低いです。むしろパニックやストレスのほうが問題ですよ。いま本当に被曝しながら多量の放射線もれを防ぐ危険な作業をしているのは福島第一原発の作業員の皆さんじゃないですか。福島での20キロ屋内退避は大事をとった数値でしょうね。でも保安員が原発の50キロ先に住んでいたら説得力に欠けるのでは? とにかく原発に関しては仕組みからしてオープンさが足りなすぎる。今後の課題となるでしょうね」
燃料棒の露出にともない行政や関係機関の情報連携のもろさが、災害により露呈した。
被曝恐怖から飛行機や新幹線で疎開を始める、福島県以外の都民や県民の行動も不自然ではないと言える。
しかし今は生後まもない赤ん坊のミルクも作れず、50本のバナナを100人で分けたり、それすらもなく暖も光もない状態の地帯がある。
今はそれぞれの地域で、休息を含め、落ち着いて各自ができることを考えるのが最優先だろう。
パニックとストレスは最大の敵だ。(毛利)
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