第一弾は、船越英一郎の『刑事 吉永誠一 涙の事件簿』だ。
神奈川県警の吉永は、多くの事件を解決しながら、そこに生きる人々の心までも解決しようと駆け回る熱い刑事。新キャラクター・鑑貴一を相棒に迎えた点が、どこかテレビ朝日の『相棒』に似ている。
「『金曜、夜8時』枠は昨年10月からユースケ・サンタマリアと杉崎美香の司会で『世界ナゼそこに?日本人SP』を放送。だが、視聴率に波があり、いい時は10%を超えるが、悪いときはひと桁の時もある。それに、テレ朝が今年4月から『世界の村で発見!こんなところに日本人』と似たような番組を放送。同じ企画で視聴者を食い合うのがバカらしくなって、打ち切りにしたともいえる」(テレビ業界関係者)
テレ東は低視聴率番組の対策として、放送外収入で稼ごうとしている。それゆえ、DVDや映画などにもなりやすい刑事ドラマを選んだに違いない。
テレ東ホールディングスは'14年3月期中間決算で純利益を2200万円と見込んでいるが、これは赤字直前の額。今回の刑事ドラマは足腰が弱りつつあるテレ東及び船越にとって、大きな賭けといえよう。
「テレ東がこのドラマをヒットさせ、以前、局が送り出した『モテキ』や『鈴木先生』のように映画化できるソフトに育てることができるかどうか、がポイントです。失敗したら、しばらくドラマはやらないでしょう。また、船越にとっても大きな転換期です。ミステリーの依頼がこなくてしばらくバラエティーに出ていたが、またチャンスが回ってきた。成功させると50代後半は楽して食えるが、失敗すれば苦労しそうです」(前出・テレビ業界関係者)
『開運!なんでも探偵団』以来のヒット作となるかどうか。
(編集長・黒川誠一)