貴公子のような顔をしたミスターシービーも、怪物ハイセイコーも若駒時代、馬房は天井まで精液で真っ白(笑)。あまりに血の気が多いため、馬房の周りには「蚊柱」が立つほどだったという。ちなみに、イチモツにはリングをセット。膨張すると締め付けられる「痛さ」を学習することによって、それを治めたという話を聞いたことがある。
デ杯2歳Sのリディルも、相変わらずの馬っけ。これも、ひとつの大物の証しなんだろうか。レースは前半4F46秒8→5F58秒8の平均ラップを余裕シャクシャクに後方よりの外めから追走。「クラシックは、この馬で」。未勝利を芝1600メートル1分34秒8で勝ち上がった前走時に、小牧が語っていたのを思い出したが、よほど自信があったのだろう。
ラスト3F11秒7→11秒4→11秒8のレースラップのなか、逃げ込みを図ろうとするエイシンアポロンの上がりを0秒9も上回る33秒8の鬼脚で一閃。昨年のシェーンヴァルトの1分33秒3には及ばないものの、1分33秒7は過去10年のデ杯ではナンバー2の好時計。が然、朝日杯FSが視界に入ってきた。
2着はエイシンアポロン。前走の野路菊Sは体調もひと息。差す競馬でどれだけの脚を使えるのかを試し5着に終わったが、小倉未勝利(芝1800メートル)の記録はレコードに0秒2差。そのスピードは特筆されていい。ただし、目標になりやすい一本調子の先行型。坂のあるコースも「?」がつくことを覚えておきたい。
3着のダノンパッションは変に首差しが細く映り、ピークを過ぎてしまったか。立て直しに少し苦労するかもしれない。
サフラン賞のアニメイトバイオは、前回の中山マイルを1分34秒4で突破。キャリアを積んでの未勝利勝ちだけに、半信半疑の面もあったが、芝1400メートル1分21秒5のレコードで2連勝とあれば、これは本物。
東京新馬・芝1800メートルのヒシカツジェームスは、ラスト3Fに10秒台のラップを2度マークしているものの、1分52秒5が平凡。東京マイルのレッドクロスも、先週のブルーミングアレーの1分35秒0と比べると、見劣りがする。
一方、京都マイルのダノンスパシーバは、初陣で芝1600メートル1分35秒2ならまずまず。抜け出すときの脚も出色。走破タイム以上に中身は濃い。