WBC
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スポーツ 2022年10月05日 11時45分
大谷翔平、WBC参戦に暗雲? 栗山監督は会見で不安漏らす「そこには少し制限が…」
11月の強化試合を戦う侍ジャパンのメンバー28人が発表された(10月4日)。しかし、その国内、NPB12球団から選ばれた28人全員が、来春開催のワールド・ベースボール・クラシック(以下=WBC)に臨むわけでなないようだ。 「28人中15人が初招集となりました。代表経験が豊富な選手を呼べば、力量が分かっているので指揮官は計算も立てやすい。でも、それでは球界が発展しないので」(関係者) 栗山英樹代表監督はメンバー編成を終える前、長嶋茂雄氏を訪ねたそうだ。時期は不明だが、国際試合における勝負どころの見極め方、選手起用のコツなどでアドバイスをもらったという。 その“長嶋エッセンス”が盛り込まれたのかどうかはともかく、栗山監督が言葉に窮したのは、「日本人メジャーリーガー」の追加招集の関する質問が出た時。来年3月のWBCも「このメンバーで?」の質問にこう答えていた。 「原則的には先のことは考えずに、11月(の強化試合)を戦うのに選んだつもりですけど、そういう風に聞かれれば、3月の戦いに向かって行くわけなので、まだまだその~、外国に行っている選手であったり、いろいろな選択の幅がある中で、そこには少し制限が掛かっていたのは、正直に言うとあった」 >>玉川徹氏に「適当な事しゃべるな!」批判殺到 大谷翔平選手に無責任発案、野球ファンが不快感<< 栗山監督が考えながら長々と話すのは、“答えにくい質問”を聞かれた時だ。隠し事ができない性格なのだ。 さらにまた、「今回選んだメンバーが結果を出して、結果を出してくれると信じて」とも付け加えていた。今回選ばれた28人に「オレたちは日本人メジャーリーガーが来るまでの繋ぎ役か?」と落胆させないよう、配慮するのも栗山監督の優しさである。 エンゼルスの大谷翔平を筆頭に、水面下で何人かの日本人メジャーリーガーにアクションを起こしている最中なのだろう。 「大谷の侍ジャパン合流? 五分五分かな。他の日本人メジャーリーガーに対してもそうだけど、NPBが直接交渉できないところもあるので」(前出・関係者) 興味深かったのは、選手起用に関する発言。「選手の力量は分かっているが、どういう場面で起用すれば力を発揮してくれるのか…」と語った。その一例が会場に現れた巨人・戸郷翔征の起用法だ。「短いイニングでも」と、戸郷を先発ではなく、「リリーバー」で起用することを明言した。 戸郷はその場で快諾しているが、こんな指摘も聞かれた。 「リリーフで結果を出している他の投手を呼べばいいじゃないか?」 昨夏の東京五輪でのこと。阪神の先発投手・青柳晃洋をリリーフで起用し、失敗している。「適材適所」の反省の言葉は、多くのNPB関係者から聞かれた。栗山監督がそれを知らないはずがない。あえて“冒険”してみるということだろう。 「うまく行けば、物凄い相乗効果を発揮するかもしれません。強化試合だからできるテストです」(プロ野球解説者) これが、長嶋氏の助言から得た国際試合の対策だろうか。 日本ハム指揮官だったころ、栗山監督は選手をガマンして使う育成タイプだった。一発勝負の場では非情な交代も避けられない。日本人メジャーリーガーの合流も気になるが、“冒険起用”に注目したい。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2022年07月04日 11時00分
大谷翔平、WBCでダルビッシュとの強力タッグ実現? 招集実現に追い風となるルール変更が浮上か
2023年春、第5回ワールドベースボールクラシック(以下=WBC)の侍ジャパンの“サプライズ・メンバー”は、大谷翔平だけではなさそうだ。 去る7月2日、栗山英樹監督がハーレム国際大会(7月8日開幕)に出場する「大学代表チーム」を激励した。その後、栗山監督は記者団にトップチームである侍ジャパンの選手構成について聞かれたが、「白紙のまま、ここまで来るとは」と笑い、シーズン終了後に検討すると伝えていた。 その言葉の通りなのだろうが、同日、侍ジャパンのメンバー選出に影響を与えそうな“ルール変更案”がNPBにも伝えられた。今夏のU-12大会で「大谷ルール」が採用され、大きな混乱がなければ、「来春の第5回WBCも」の流れが見えてきたのだ。 >>乱闘騒動の影響? 大谷翔平、メッツへのトレード移籍が急浮上 大型契約以上に求めていることは<< 「今季からメジャーリーグの指名打者制(DH)に関するルール変更が行われました。先発投手が降板後も指名打者(DH)として試合に出続けることが可能となりました。この新ルールの恩恵を受けたのは、エンゼルスの大谷だけですが」(米国人ライター) 国際大会におけるルール変更を伝えてきたのは、世界野球ソフトボール連盟(WBSC)。 WBCの主催はメジャーリーグ機構と同選手会が共同経営するWBCインクだが、WBSCとは良好な関係にある。 「過去、球団経営陣はトップ選手のWBC出場に難色を示してきましたが、一連の新型コロナウイルス禍で無観客試合も余儀なくされました」(現地記者) その赤字を補填するためにも、WBCを盛り上げなければならないのだ。 「来年春はトップ選手の派遣を認めるのではないか? 今回のルール変更は、人気の大谷のWBC出場を見越してのことでは?」(前出・米国人ライター) また、今回のルール変更とは別に、こんな情報も囁かれていた。ダルビッシュ有の代表復帰説だ。 「2018年2月、カブスと6年の長期契約を結びました。パドレスにトレードされた時、その契約も引き継がれています。一時期、23年シーズンでその契約が終了したら、再契約しないと言っていたんです。家族との時間を優先したいから、と。日米のファンが辞めないでくれとエールを送り、『検討中』と言葉を濁すようになりましたが」(球界関係者) 今年8月、36歳になる。現役を続行したとしても、“思い出作り”として、「23年春は代表に立候補してくれるのではないか」との見方もNPB側には出ているという。 ダルビッシュ、大谷の二枚看板が揃えば、「世界一奪還」は決して夢ではない。大谷が「投手兼DH」で4番に入る新打線も考えられる。 「栗山監督を代表チームの指揮官に選んだのは、大谷の招集を見越してのこと。NPBは『エンゼルスと出場許可の交渉をしなければならない』と覚悟していました。でも、米球界側からルール変更を知らせてきました」(前出・同) 23年と言えば、その年で大谷とエンゼルスの契約はいったん満了する。米メディアは「新年俸は60億円」と予想しているが、侍ジャパンでの活躍と「世界一」の称号が加われば、その額はさらに跳ね上がるはずだ。 ダルビッシュと二刀流の共演。国際大会における大谷ルールの採用は、侍ジャパンにとって追い風となりそうだ。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2021年12月01日 11時00分
侍ジャパン、栗山監督の抜擢は権力抗争が原因? 愛弟子・大谷招集よりも期待される役割とは
侍ジャパンの新指揮官に前日本ハム監督・栗山英樹氏の就任が正式に決定した。各メディアはWBCでの「世界一奪回」のため、教え子である大谷翔平選手も招集できるのではないか、と…。そんな期待の声も伝えられていた。 >>侍ジャパンの試合中にコーチが呼吸困難に? 井端氏が五輪開幕戦の壮絶エピソード明かし驚きの声「選手より過酷だ」<< しかし、候補者はほかにもいた。栗山監督に決まるまで二転三転したという。 「東京五輪が終了して間もなく、巨人OBの高橋由伸氏の名前が一部メディアから報じられました」(スポーツ紙記者) 昨年、東京五輪の一年延期が決定した頃から、「次期代表監督」に関するいくつかの情報が流れていた。その中に高橋氏の名前はなかったが、「高橋氏有力」の一報と同時にこんな声も囁かれるようになった。 「山本浩二氏が代表監督に選ばれた時と似ている、と」 山本氏は2013年第3回WBCで代表チームを指揮した。前年に「有力」と報じられ、山本氏の元に各メディアが集まったが、そこで出たのは「知らない」「聞いてない」の言葉ばかり。たとえ決まっていても否定しなければならない場合もある。それは分かっているが、山本氏は本当に知らなかった。正式なオファーがあったのはその後だったという。 「山本氏の名前が報じられたのは、候補者を絞り切れていない時期でした。そのまま、山本氏にお願いするような空気になってしまいました」 当時を知るNPB関係者の証言だ。 代表チームの監督、コーチの人事権は強化委員会にある。NPB、12球団からは介入されない組織ということになっており、11年10月の侍ジャパン常設化が決定してからは、同委員会が選出してきた。「それまでは、有力なプロ野球OBや一部の球団幹部にも相談していました」(球界関係者) 栗山氏が選ばれた背景には、“侍ジャパンへの介入”を認めたくないとする意思もあったようだ。とは言え、栗山新代表監督に求められるのは、大谷翔平の侍ジャパンへの合流だけではない。 「23年3月のWBC大会は中止でしょう。25年に延期になるようですが」(前出・スポーツ紙記者) 侍ジャパンは常設化されており、このままコロナ騒動が収まれば、海外チームとの親善・強化試合も開催しなければならない。侍ジャパンの最大の悩みはWBCなどの公式大会以外の国際試合がイマイチ盛り上がっていないことだ。チーム強化はもちろんだが、25年のWBC大会までの約4年間、野球ファンの関心も惹き付けておかなければならない。 「その打開策として、日米野球を復活させたらどうかという意見もあるんです。実現すれば、大谷を侍ジャパンに合流させるよりも簡単ですよ。大リーグ選抜チームに入ってもらえばいいんですから」(前出・球界関係者) ダルビッシュ有、前田健太、筒香嘉智らも“凱旋帰国”が果たせる。 栗山監督が取り組まなければならないのは、阪神・佐藤輝明、DeNA・牧秀悟、千葉ロッテ・佐々木朗希、東京ヤクルト・奥川恭伸など代表未経験の有望な若手を侍ジャパンの主力メンバーに育て上げることだ。 栗山新監督には権力抗争や「大谷絡みの営業問題」に頭を悩ませるよりも、佐藤たちの育成に専念してもらいたい。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2020年08月23日 17時00分
ギャンブルプレーじゃない! ロッテ・鳥谷、チームを救う“神走塁”は過去にも、正確な判断力は未だ健在?
20日にZOZOマリンスタジアムで行われたロッテ対ソフトバンクの一戦。試合は「5-4」でロッテがサヨナラ勝ちを収めたが、そのサヨナラ劇を呼んだのがプロ17年目のベテラン・鳥谷敬の走塁だった。 「4-4」と両チーム同点の延長10回裏2死一塁から代走で出場した鳥谷は、後続の四球により二塁へ進塁。ここで迎えた佐藤都志也がソフトバンク・椎野新から四球をもぎ取るが、椎野がフルカウントから投じた6球目のフォークボールがワンバウンドの暴投となった。これを見た鳥谷は一気に三塁を蹴って本塁に突入。椎野のタッチをかいくぐって生還し、劇的なサヨナラ勝利をもたらした。 >>ソフトB・工藤監督に「今シーズン最低の采配」批判噴出 池田氏も苦言「代え時が遅かった」、不可解な継投策に反発相次ぐ<< 代走からチームの勝利を呼び込んだ鳥谷の好走塁を受け、ネット上には称賛の声が多数挙がった。一部では「WBCの時のような神走塁だ」、「決死の走塁で勝利に貢献って言うのはWBCを思い出すなあ」といったコメントも見られた。 これまで阪神(2004-2019)、ロッテ(2020-)でプレーし、昨シーズンまでに「.280・138本・822打点・2085安打」といった数字を残している39歳の鳥谷。阪神時代の2013年には侍ジャパンの一員として第3回WBCに参加しているが、同大会では今も多くのファンに語り継がれるプレーを披露している。 2013年3月8日、東京ドームで行われたWBC第2ラウンド・日本対台湾戦。負ければ敗退となる大一番に臨んだ日本だったが、8回終了時点で「2-3」と1点ビハインドの苦しい状況。同戦に「9番・三塁」でスタメン出場した鳥谷は、犠打を2つ決めたもののヒットは打てていなかった。 迎えた9回表、日本は1死から鳥谷が四球を選んで出塁するも、続く長野久義が中飛と続けず。2死一塁の場面で打席に入った井端弘和がアウトになれば敗北という窮地に追い込まれたが、鳥谷はなんと初球から二塁への盗塁を敢行。これが際どいタイミングでセーフとなり同点のチャンスが生まれた。 すると、この決死の走塁が流れを呼んだのか、打席の井端が左前に同点タイムリーを放ち日本は土壇場で試合を振り出しに戻す。その勢いで迎えた延長10回表に中田翔の犠牲フライで勝ち越した日本は、「4-3」と劇的な逆転勝利で台湾を下した。 試合後にチームの山本浩二監督が「本当にすごい試合だった」と話し、高代延博コーチも「あの盗塁がなかったら終わっていた。鳥谷に救われた」と絶賛した鳥谷の盗塁。しかし、決してアウトになることが許されない場面での盗塁だったため、当時のネット上には「セーフになったから良かったが、ああいうギャンブルプレーは褒められない」といった苦言も少なからず寄せられた。 だが、鳥谷は後年にあの場面の二盗はギャンブルではなく、走れるという根拠があった上でのプレーだったことを明かしている。鳥谷によると、試合前の時点で「相手投手が牽制は1回しかなくて、しかもクイックが早くない」というデータは把握していたといい、四球で出塁した際には一塁コーチャーの緒方耕一コーチともデータを再確認した上で「初球から行っていい」とGOサインをもらっていたとのこと。その直後に牽制されたことで連続の牽制はないと判断し、「腹をくくって」スタートを切ったという。 正確な状況判断でチームの勝利を呼んだ鳥谷だが、20日の試合でも好判断を見せている。暴投で転々としたボールをソフトバンク捕手・甲斐拓也がつかみ本塁に返球したタイミング的にはアウトだったが、鳥谷は本塁ベースカバーに入った椎野の体が自身から見て右方向に流れたため、左方向へ体をよじらせながら本塁へ突入。その結果、間一髪の差でタッチをかいくぐることに成功した。 今シーズンは「.118・0本・3打点・2安打」と、バットではなかなか結果を残せていない鳥谷。ただ、好走塁で勝利の立役者となった同戦をきっかけに、一気に調子が上向く可能性もあるのではないだろうか。文 / 柴田雅人
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スポーツ 2020年07月23日 17時30分
阪神・福留が「あっ、打てるかも」と直感! 復活のV2ランは初めてでは無かった? 日本を救った“伝説の一打”
16日に行われた阪神対ヤクルトの一戦。「6-4」で阪神が勝利したこの試合でヒーローとなったのが、試合前まで「.120・0本・0打点」と不振にあえいでいた阪神の43歳・福留孝介だった。 同戦はスタメンではなくベンチスタートだった福留は、「1-3」と阪神2点ビハインドの6回裏2死一、二塁の場面で代打起用されると、2点タイムリーツーベースを放ち試合を振り出しに。その後「4-4」で迎えた8回裏1死一塁の場面では、バックスクリーンに決勝2ランホームランをたたき込んだ。 >>エモやん「福留は怒ってるんじゃ」 阪神・大山の“謎盗塁”に苦言、岡田元監督も「絶対にやってはいけない」と一喝しファン共感<< 代打での登場から「2打数2安打・1本塁打・4打点」と大活躍を見せた福留に、ネット上には「福留がいなかったら確実に負けてた、救世主になってくれてありがとう」、「43歳でバックスクリーンにあんなホームラン打てるのは凄すぎる」といった称賛の声が多数寄せられた。一部では、「代打から決勝2ランって流れはWBCを思い出すな」、「あの時のWBCと同じように生き返ったな」といったコメントも挙がっている。 福留は中日時代の2006年、MLB・カブス時代の09年にそれぞれWBCに出場した経験を持っている選手。06年WBCでは今回の試合と同じように、代打出場からチームを勝利に導く劇的な一打を放った試合がある。 06年3月18日、アメリカ・ペトコパークで行われたWBC準決勝・日本対韓国戦。王貞治監督率いる侍ジャパンの一員として大会に参加していた福留だが、試合前時点で「.105・1本・2打点」と絶不調。同戦ではスタメンから外れベンチスタートとなったが、「0-0」で迎えた7回表1死二塁のチャンスで王監督は福留を代打に起用した。 初球、2球目を見逃し、カウント「1-1」となった後の3球目。同戦で実況を務めていたTBS・松下賢次アナウンサーが「生き返れ福留!」と叫んだ瞬間、福留は相手投手が投じた直球をフルスイング。打球はライトスタンドへ一直線で飛び込む、値千金の先制2ランホームランとなった。 福留の一発で勢いに乗った日本はこの回に5得点、8回にも1点を追加し「6-0」で韓国を粉砕。福留は迎えた同月20日の決勝・キューバ戦でも9回に代打で2点タイムリーを放つ勝負強さを見せ、「10-6」の勝利、並びに日本の優勝に大きく貢献した。 日本を救ったこの一打について、福留は19年11月13日放送の『戦え!スポーツ内閣』(MBS)で当時の心境を明かしている。福留によると、韓国戦の7回、先頭の松中信彦(当時ソフトバンク)がツーベースを放った瞬間に「あっ、代打俺だ」と直感したといい、同じタイミングでベンチから代打を告げられたとのこと。また、打席でも初球を見逃した瞬間に「あっ、打てるかも」と、直後の劇的弾を予感していたという。 福留はWBC以降も現在に至るまで、たびたび勝負強さを発揮しチームを救っている。19年5月5日のDeNA戦では、セ・リーグ最年長記録となる42歳0カ月でのサヨナラ2ランホームランを放ってもいる。 14年が経った今でも“伝説の一打”として、多くのファンの間で語り継がれている福留の代打決勝2ラン。16日の試合での福留の大活躍を受け、当時の記憶が蘇ったファンも多かったようだ。文 / 柴田雅人
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スポーツ 2020年05月14日 11時45分
侍ジャパン、次の指揮官は原監督が決める? 噂される日米球界の大物、まさかの電撃復帰もあるか
開幕戦の日程を決められず、オーナー会議(5月12日)が空転していた時、NPB本部にこの難局をさらに混乱させるような一報が届けられた。2021年3月開催予定だった第5回ワールド・ベースボール・クラシック(以下=WBC)が23年に延期されるという。「想定範囲内。予測していた」と話す関係者もいたが、その対応策については何も決まっていない。いや、「決められない」と言った方が適切かもしれない。 「稲葉篤紀代表監督の任期は、今夏の東京五輪まででした。五輪の延期に伴い、稲葉監督の任期も延長する方向でいましたが、23年のWBCまで引き延ばすことはできないでしょう。現役を終えた日本ハム球団には、今も『スポーツ・コミュニティ・オフィサー』の肩書で籍があります。次の日本ハム監督のウワサもあるようだし…」(関係者) 次の代表監督の選出に、巨人・原辰徳監督も“強い影響力”を持つことになりそうだ。先の関係者が、稲葉監督の選出された経緯をこう説明する。 「最終的なゴーサインを出したのは強化本部長だった山中正竹氏です。稲葉監督の名前は強化委員会内ですでに出ていました。山中氏らは原監督、王貞治ソフトバンク・ホークス会長など、国際大会の監督経験者に意見も聞き、『経験者のアドバイスから外れていない』ということで、最終決定が下されました」(前出・同) 原監督たちは「誰がいいのか」とは聞かれなかった。また、特定の誰かを推薦したわけでもない。経験者から“参考意見”を聞き、その前段階で「強化委員会による合議制」で選出された何人かを絞り込むというやり方だ。つまり、侍ジャパンの強化・運営母体でもあるNPBエンタープライズの幹部と、強化委員会の意向が強く影響しているようだ。 このWBCの延期と同時に、侍ジャパンに関連する重要な人事交代もされていた。 「NPBエンタープライズがオーナー会議の前日に取締役会を開き、西原研志氏が6月1日付で新社長に就任すると発表しました」(スポーツ紙記者) 新社長は読売新聞社から出向で、同社設立から要職を任されてきた。巨人OBが推されるなんてことにならないだろうか…。 「原監督も09年のWBC(第2回)で代表監督を務めています。同大会に選出された他球団の選手、スタッフは、原監督に好印象を持っていました。当時の選手たちはベテランと呼ばれる年齢か、コーチなど指導者になっています。NPBエンタープライズのスタッフも、“原監督のファン”が他球団にも多いことを知っているので、最初に意見を聞くことになりそう」(前出・関係者) 稲葉ジャパンの主砲は広島・鈴木誠也だが、まとめ役は巨人・坂本勇人だと言われている。稲葉監督が選ばれた経緯をさらに付け加えると、選手、コーチを経験した「内部昇格」でもあった。現コーチの中で、巨人関係者はバッテリーコーチの村田善則氏と内野守備・走塁コーチ・井端弘和氏の2人。村田氏は代表選手の経験がなく、井端氏も中日在籍期間の方が長い。巨人OBが後任に昇格する雰囲気はなさそうだ。 「代表監督ですが、ペナントレースと国際試合を兼務するつらさもあり、現職の12球団の監督以外から選ぶようになりました。兼務のつらさを報告したのは原監督だと聞いています。その原監督が推す人物がいるとすれば、阿部慎之助二軍監督でしょう。ただ、WBCをイベントと捉えている米国と、世界一奪取の緊張感を常に持っている日本との温度差も問題です。アメリカを本気にさせるとしたら、米国での知名度も高いイチローか、ゴジラ松井、黒田博樹なんですが」(前出・同) 原監督の任期は21年までの3年契約。原監督自身が侍ジャパンの指揮官に復帰する可能性もありそうだ。(一部敬称略/スポーツライター・飯山満)
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