大栄翔
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スポーツ 2023年07月27日 11時00分
大関逃した大栄翔、角界OBが後半の“異変”指摘「足全然出てなかった」 八角理事長も内容に不満か
元大相撲力士の貴闘力氏(元関脇)が25日、自身の公式YouTubeチャンネルに動画を投稿。関脇・大栄翔にまつわる発言が話題となっている。 今回の動画で貴闘力氏は9~23日にかけ行われた大相撲7月場所について、複数力士の名を挙げながら振り返った。その中で、同場所に大関とりがかかっていた大栄翔が後半失速した理由を指摘した。 7月場所の大栄翔は序盤5日間、6~10日目の中盤戦はそれぞれ「4勝1敗」をマーク。大関昇進目安(三役で直近3場所33勝以上)をクリアする11勝以上まで残り5日で3勝に迫った。ところが、11日目~千秋楽の後半戦で「1勝4敗」と急失速し、目標の11勝はおろか2ケタ勝利すら達成できなかった。 >>豊昇龍、優勝なければ大関になれなかった?「厳しすぎないか」審判部長が高いハードル設けたワケは<< 後半の失速が響き大関を逃した大栄翔について、貴闘力氏は「もったいないね…」とため息。続けて「勝ち、大関を意識すると、後半戦はもう足が全然出てなかったね」と、重圧の影響からか後半戦は体があまり動いていなかったように見えたと指摘した。 大栄翔は立ち合いから勢いよく当たり、回転の速い突き押しで相手を攻めたてる相撲が持ち味の力士。ただ、貴闘力氏によると「緊張して足が出なくなるからケツが後ろに残るような形。で、思い切り行ったらはたかれて落ちてしまう」、「そういうふうな相撲をとると当たれなくなる」と、後半5日間はその持ち味がほとんど出ていなかったという。 「意識しないようにしようと思っても、大関になれるって意識があったんだろうね」と、後半戦を戦う大栄翔の胸中を推測した貴闘力氏。「10番だとあるかもしれないけど、9番だとキツイ。11番なら確定だったのにね」と、3場所31勝での大関とり失敗を惜しんでいた。 貴闘力氏の発言を受け、ネット上には「確かに後半は上半身だけで押してるように見えた」、「だから3日連続(11~13日目)ではたき込み食らったのか」、「残り5戦で3勝を意識し過ぎて動きがガチガチになったんだろう」、「連敗止めようとして変な相撲もとってたしな」といった同調の声が寄せられている。 大栄翔は「8勝5敗」で迎えた14日目の平幕・阿武咲戦で、立ち合い突っ込んでくる相手に対して左に変化。そのままはたき込みで勝利したものの、取組後の報道では八角理事長が「大関としてやっていけるかどうかの見極めで、こういう大関を見たいと思いますか? お客さんが納得できると思いますか?」と怒りをにじませたことが伝えられている。本来の取り口とはかけ離れた逃げ腰の相撲を選択してしまうほど、大関とりの重圧は相当なものだったようだ。文 / 柴田雅人記事内の引用について貴闘力氏の公式YouTubeチャンネルよりhttps://www.youtube.com/@takatorikibeya
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スポーツ 2023年07月09日 11時00分
7月場所最注目の“トリプル大関とり”、序盤5日で勝負決まる? 豊昇龍は苦戦濃厚、話題性も足かせか
9〜23日にかけて行われる大相撲7月場所。今場所最大の注目点が関脇の豊昇龍、大栄翔、若元春による“トリプル大関とり”だ。 大関昇進には“三役で直近3場所33勝以上”という目安が存在するが、豊昇龍、若元春は直近2場所21勝、大栄翔は22勝をマーク。7月場所は若元春・豊昇龍が12勝、大栄翔が11勝以上を挙げれば昇進目安クリアとなる状況だ。 過去に例がない3名同時昇進の実現を多くのファンから期待されている3力士。昇進を左右するポイントとしては、場所後半になると予想される直接対決の勝敗を挙げる声が多いが、その一方で勝負は序盤5日間で決まるという見方もある。 >>元大関・朝乃山、角界OBの動画で腰故障発覚?「三役復帰キツくなる」7月場所への不安要素に心配の声<< 角界で令和初の場所となった2019年5月場所から先場所までに、朝乃山(現平幕)、正代(現平幕)、照ノ富士(現横綱)、御嶽海(現平幕)、霧馬山の5名が大関とりに成功。朝乃山、正代は3場所32勝、御嶽海は33勝、霧馬山が34勝、そして照ノ富士が36勝と昇進前成績にはばらつきがあった。 ただ、この5名には「序盤5日間で1敗以下しか喫していない」という共通点がある。内訳は朝乃山(不戦勝1含む)、御嶽海が5戦全勝、正代、照ノ富士、御嶽海が「4勝1敗」となっており、さらに言うと初日に関しては全員が白星を収めている。 関脇は序盤5日間に小結~前頭3枚目付近と、格下ではあるが番付が近い力士と対戦が組まれることが多い。力量差が少ない力士たちを圧倒してスタートダッシュを切ることができれば、同格以上の相手とぶつかる中盤、後半戦へ自信、勢いがつくということだろう。逆につまずくようなら早く挽回しなければという焦りから動きが固くなり、その後も白星が伸び悩んでいくようだ。 実際、大関経験者の一人である二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)も、序盤5日間の戦いを昇進のポイントに挙げている。同親方は『スポニチアネックス』(スポーツニッポン新聞社/2023年7月5日付)の記事内で、「緊張感、そして土俵の感覚。慣れるまでに時間がかかります。力士として100場所以上経験している私でも引退するまで苦労しました」と本場所序盤は場内の雰囲気に適応することの難しさもあると説明。 その上で「初日、2日目とつまずいたら挽回するためには相当な労力を必要とします。逆に4勝1敗とか5連勝できれば、勢いがついて中盤以降がかなり楽に臨めます」と、序盤戦の成績は中盤戦以降の心身の状態を大きく左右すると指摘している。 7月場所で大関とりに挑む豊昇龍、大栄翔、若元春も序盤5日間は特に集中して臨みたいところだが、先場所は豊昇龍(不戦勝1含む)、大栄翔が「4勝1敗」、若元春が5戦全勝と全員が序盤戦をうまく乗り切っている。ただ、3月場所では大栄翔が5戦全勝の一方、若元春は3勝2敗、豊昇龍に至っては2勝3敗と負け越している。特に豊昇龍はかねて精神的に未熟な面があるとされているため、一度つまずくとイライラしてより勝てなくなる悪循環に陥ることは考えられる。 また、7月場所の3名には大関とりの話題性を見込んだ懸賞が多数つけられることも予想される。懸賞は力士にとって貴重な収入源であり、懸賞が多くかかった相手には目の色を変えて挑む力士も少なくないが、3名が“カネ”でモチベーションが上がった相手に苦しめられる展開も決してゼロではないだろう。 豊昇龍、大栄翔、若元春はそろって今回が初めての大関とり。チャンスを一発でモノにするのは誰なのか、それとも全員で大関の座をつかむのか。7月場所は土俵内外で熱い場所になりそうだ。文 / 柴田雅人
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スポーツ 2023年06月03日 11時00分
7月場所注目の“トリプル大関とり”、豊昇龍は脱落濃厚? 5月場所で露呈、白鵬も問題視する不安材料は
5月14~28日にかけ行われた大相撲5月場所。場所前に最もファンから注目を集めたのが関脇・霧馬山の大関とりだった。 霧馬山は小結で臨んだ今年1月場所で11勝、新関脇の3月場所では12勝(優勝)をマークし、今場所は10勝以上なら大関昇進目安(三役で直近3場所33勝以上)をクリア。場所前報道では昇進を預かる審判部・佐渡ヶ嶽審判部長(元関脇・琴ノ若)も「2ケタ10勝以上の成績で千秋楽を迎えてほしい」と語ったことが伝えられていたが、迎えた場所は11勝を挙げ見事に大関の座を射止めた。 千秋楽後に取材に応じた佐渡ヶ嶽部長は「合計34勝で申し分ない」と霧馬山を称賛したが、同時に大栄翔、若元春、豊昇龍の3関脇について「3人とも来場所は大関をかける場所になる」とコメント。この3名は次の7月場所は大関とりの場所になると明言したという。 >>関脇・若元春に「ブチギレてないか」の声 格下突き飛ばし仏頂面のワケ、厳しい攻めは弟の長期離脱も影響?<< 「佐渡ヶ嶽部長が名指しした3関脇ですが、大栄翔は直近2場所22勝、若元春・豊昇龍は21勝をマーク。7月場所は大栄翔が11勝以上、若元春・豊昇龍は12勝なら昇進目安クリアとなります。大関とりは過去に2名の力士が同時に成功させたケースは昭和以降8例ありますが、3名同時昇進は前例が一つもありません。現在の角界は5月場所前時点で1横綱1大関(照ノ富士・貴景勝)、大関昇進を決めた霧馬山を加えても1横綱2大関と上位層が薄い状況ですが、トリプル昇進で1横綱5大関体制となれば話題性があり、角界の未来も明るくなるのでは」(相撲ライター) 佐渡ヶ嶽部長の大関とり明言を受け、ファンの間では史上初のトリプル昇進実現を期待する声が高まっている。3関脇はおのおのの目標勝利数をクリアし昇進をたぐり寄せたいところだが、豊昇龍については12勝クリアでも昇進確実とは言いきれない事情もある。 5月場所の豊昇龍は3関脇の中では最多となる11勝をマーク。ただ、6日目の大栄翔戦は押し出し、9日目の若元春戦は切り返しで敗戦と、大関とりのライバル相手にはどちらも屈している。 また、11勝のうち2つは対戦相手の休場による不戦勝で、実際に土俵上で相手を下して得た白星は1ケタ9勝でもある。不戦勝については豊昇龍本人に非があることではないが、昇進目安ちょうどの33勝となった場合、ライバル相手の敗戦や不戦勝が内容不十分ととられる展開はあり得なくはない。 また、豊昇龍はかねて劣勢からの強引投げや立ち合い変化が多く問題視されており、5月場所でも8日目の小結・琴ノ若戦で強引な投げ、11日目の照ノ富士戦で立ち合い変化をそれぞれ見せている。8日目の相撲は、同日のNHK中継で解説を務めた宮城野親方(元横綱・白鵬)は「本来であれば豊昇龍もね、この相撲あんまりしてほしくないんです」、「投げ技ってけがもしますし、(そもそもの体勢が)苦しいから投げるんですね」と苦言を呈しているが、この“悪癖”を直せないと審判部から「楽をして勝とうとしており大関にふさわしくない」、「昇進させても故障ですぐに転落のリスクがある」といったネガティブな判断を下される可能性も否定はできないだろう。 豊昇龍は千秋楽で霧馬山を下した取組後、同じモンゴル出身で幼少期からの仲である霧馬山に先を越されたことに悔しさをにじませていたという。この悔しさをバネに、来場所は自他共に認める数字・内容を残して後に続くことはできるだろうか。文 / 柴田雅人
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スポーツ 2022年11月28日 18時35分
大相撲、阿炎優勝の裏で誤審発生? 舞の海氏ら解説陣も疑問、阿武咲戦での物言いナシが物議「取り直しが妥当だろ」の声も
27日に行われた大相撲11月場所千秋楽。今場所6敗目を喫した平幕・阿武咲の取組を巡る判定がネット上で物議を醸している。 前日まで「9勝5敗」の阿武咲はこの日、「6勝8敗」の小結・大栄翔と対戦。この一番勝てば2ケタ勝利の阿武咲は、立ち合いのど輪を食らうも構わず前に出る。一方、圧力を受けた大栄翔も左に動きながらの引きを見せ、両者はほぼ同時に土俵を割った。 一連の攻防を見守った行司は大栄翔に軍配を上げ、土俵下の勝負審判からも物言いはつかず。ところが、取組終了後にNHK中継で流されたリプレー映像では前に倒れ込んだ阿武咲の左手、阿武松をはたきながら後退した大栄翔の左かかとが同時に土俵外についたような様子が映っていた。 >>大相撲、平幕・照強戦で誤審? 本人も取組後に抗議か「睨みつけてないか」 同時転倒巡る判定に疑問の声<< 勝負審判は阿武咲の左手が先に地面についたとみて行司軍配通りと判断したようだが、ネット上には「今の一番、物言いないまま終わったのは納得いかない」、「大栄翔有利は誤審くさいわ、どう考えても同体取り直しが妥当だっただろ」、「スローで見ても、どっちが先に地面についたかは分からないレベルだったんだが」、「仮に結果は同じでも、物言いや協議を経た上での結論ならまだ納得感があっただろ」といった批判が相次いだ。 今回の物言いナシ判断についてはファンだけでなく、NHK中継で解説を務めた北の富士勝昭氏(元横綱)、舞の海秀平氏(元小結)もそれぞれ疑問を呈している。中継でリプレー映像が流された後、北の富士氏は「物言いぐらいはね。確認か(どうか)ね、なんでもいいんだから」と理由はどうあれ物言いはつけるべきだったとコメント。直後には舞の海氏も「これは阿武咲浮かばれないですよね」と阿武咲も納得できていないのではと指摘した。 今場所千秋楽は平幕・阿炎が本割で平幕・高安を下し、その後優勝決定戦でも高安、大関・貴景勝を連破し自身初優勝。劇的な展開に多くのファンが盛り上がった傍らで、阿武松戦の不可解判定に首をかしげたファンも少なくなかったようだ。文 / 柴田雅人
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スポーツ 2021年09月17日 17時30分
平幕・宇良、朝青龍以来の大技で勝利も冷ややかな声「取り口が強引過ぎ」 力任せの相撲は古傷に大ダメージ?
16日に行われた大相撲9月場所5日目。今場所2勝目を挙げた平幕・宇良(木瀬部屋)の相撲内容がネット上で物議を醸している。 前日まで「1勝3敗」の宇良はこの日、同「3勝1敗」の平幕・大栄翔(追手風部屋)と対戦。立ち合いは大栄翔に押され一瞬土俵際に追い込まれたが、低い体勢で突き押しやはたきをいなしながら応戦。そこから右のはず押し(親指と他4本の指をY字型に開き、その手のひらを相手の脇の下にあてがって押す技術)で自身から見て左方向へ大栄翔の体を傾かせると、がら空きになった右方向へ動き、両腕で大栄翔を抱えながら背後をとった。 宇良はそこから逆時計回りに回転すると、その勢いのまま大栄翔を持ち上げ土俵外へ投げ勝利。取組後、会場の両国国技館内に決まり手が「送りつり出し」であることがアナウンスされたが、これは幕内では2005年11月場所で横綱・朝青龍が平幕・安馬(後の横綱・日馬富士)に決めて以来16年ぶりの大技だった。 >>平幕・豊昇龍、敗戦後の無礼な振る舞いに怒りの声 「やっぱり血は争えないのか」朝青龍の悪癖が影響?<< 宇良の相撲内容を受け、ネット上には「今の技凄いな、大栄翔を後ろから抱えてそのまま土俵外に投げ捨てた」、「宇良より大栄翔の方が体重重い(宇良は147キロ、大栄翔は162キロ)のに…小兵力士とは思えないほどの怪力だ」、「背後を取るまでの右腕の使い方も上手かったなあ」といった反応が寄せられている。 一方、「取り口が強引過ぎて褒められない、古傷痛める可能性もあるし今後は控えてほしい」、「近いうちにまた大怪我に見舞われそうで見てられない相撲だった」、「同部屋の親方が体調万全じゃないって言ってたけど、そんな力任せの相撲やって大丈夫なのか?」と、体への負担を懸念するコメントも複数挙がった。 「宇良は2017年9月、2019年1月にそれぞれ右ひざ前十字靭帯断裂の大怪我をし、1度目の断裂の際には左ひざ半月板損傷も併発するなど両ひざに爆弾を抱えている力士。今場所も初日から両ひざをテーピングで固めて出場を続けていますが、一部ファンの間では今回のような強引な取り口は古傷悪化のリスクがあると心配を募らせているようです。また、13日の2日目にNHK大相撲中継で解説を務めた木瀬部屋の稲川親方(元小結・普天王)が、今場所の宇良のコンディションについて『(今)場所前にひざ以外に(も)気になるところがあって十分とはいえない』と語っていることを引き合いに、ひざ以外の箇所も痛めると危惧されています」(相撲ライター) 取組後に「(技の引き出しが)1個増えたっすかね。うれしいですね」と笑顔で語ったことが伝えられている宇良。ただ、もう少し体に気を遣った相撲を取ってほしいと願うファンも少なくないようだ。文 / 柴田雅人
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スポーツ 2021年01月30日 11時00分
大栄翔の平幕優勝はただのマグレ? 史上21人目の偉業、朝乃山・德勝龍らの二の舞は避けられそうなワケは
10~24日にかけて行われた大相撲1月場所。白鵬、鶴竜の両横綱が休場の中、賜杯を手にしたのは西前頭筆頭の大栄翔だった。 西前頭2枚目で迎えた2020年11月場所で10勝5敗と2ケタ勝利を挙げるも、上位陣に大負けした力士がいなかったため平幕に据え置かれた大栄翔。その悔しさを晴らすように今場所は中日まで8連勝と序盤から優勝争いトップを走ると、その勢いのまま「13勝2敗」で初優勝を果たした。 上位陣を差し置いての平幕優勝を受け、ネット上には「序盤から勢いに乗ったいい相撲だった」、「役力士を全員倒しての優勝は素晴らしいという他ない」と称賛する声が多数寄せられた。一方、一部では「今場所だけのマグレという気もする」、「一発屋で終わりそうな感じは拭えない」といったコメントも見られた。 >>貴景勝の休場に「怪我なんてしてないだろ」疑問の声 3日目に左足首を故障も、取組直後から怪しい行動が?<< 今回大栄翔が成し遂げた平幕優勝は、年6場所制が確立した1958年以降では21人目(22回目)となる快挙。ただ、直近の平幕優勝力士を見ると、優勝から一転して翌場所は苦戦をしいられている力士がいる。 2020年1月場所を幕尻である西前頭17枚目で迎えた德勝龍は、「1勝1敗」の3日目から千秋楽まで破竹の13連勝をマークし「14勝1敗」で初優勝。幕尻での優勝は2000年3月場所の貴闘力(元関脇/当時東前頭14枚目)以来史上2人目の偉業だった。 ところが、西前頭2枚目と番付を大きく上げた翌3月場所は、初日から5連敗を喫したこともあり「4勝11敗」で終了。翌場所以降は「7勝8敗」、「7勝8敗」、「8勝7敗」と際どいところでの勝ち越し、負け越しが続いていたが、今場所は「3勝12敗」と大負けを喫している。 現在大関の朝乃山は、西前頭8枚目だった2019年5月場所で「12勝3敗」を記録し初優勝。だが、東前頭筆頭で迎えた次場所の同年7月場所は「7勝8敗」と負け越し、目前に迫っていた自身初の三役昇進はならなかった。 しかし、朝乃山はその後4場所連続で2ケタ勝利をクリアし、2020年3月場所後に大関に昇進。昇進後も2ケタクリア3回、負け越し1回と安定した成績を残している。 初優勝翌場所に苦戦をしいられた德勝龍、朝乃山だが、初めての優勝でメディアや後援会に連日駆り出され、稽古や調整の時間が減少したことが苦戦の原因となった可能性がある。また、両名はどちらも役力士と当たることが少ない平幕中位、下位での優勝だったが、優勝により番付が平幕上位になって役力士との対戦が多くなり、結果として黒星が重なったという見方もできるだろう。 一方、東前頭17枚目で臨んだ2020年7月場所で「13勝2敗」をマークし史上3人目の幕尻優勝を果たした照ノ富士は、東前頭筆頭で迎えた翌9月場所を負傷で13日目から休場したものの「8勝5敗2休」で勝ち越し。その後同年11月場所は小結で13勝、今場所は関脇で11勝を挙げているため、来場所で9勝以上を挙げれば“三役での直近3場所で33勝以上”という大関昇進目安を満たす状況となっている。 照ノ富士は当時関脇の2015年5月場所で「12勝3敗」で初優勝し、その後大関も経験した力士で、番付上昇による役力士との対戦がそこまで苦にならなかった可能性はある。また、新型コロナの流行によりメディアや後援会に駆り出される機会の減少、それに伴う稽古時間の確保も苦戦を免れた一因かもしれない。 今回の大栄翔はこれまでに小結・関脇の在位経験がある上、今場所も全ての役力士との対戦を経て優勝を手にしたため、関脇への昇進が予想される来場所も番付上昇の影響は薄いと思われる。また、現在もコロナ禍は続いているため、メディア出演や後援会の会合に呼ばれる機会もそうないだろう。 となると、マグレでは終わらず次場所以降も照ノ富士のように好成績を続けていく公算が高いようにも思われる。果たして実際の成績はどうなるのだろうか。文 / 柴田雅人
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スポーツ 2021年01月25日 13時25分
初場所Vの大栄翔に「完璧な15日間だった」荒磯親方らも祝福 「体たらくぶりが目立った」上位陣への不満も
24日に千秋楽を迎えた大相撲1月場所。この日の取組に勝利し最終成績を「13勝2敗」とした平幕・大栄翔が自身初の優勝を果たした。 23日の14日目終了時点で「12勝2敗」とし、「11勝3敗」の大関・正代に1差をつけ優勝争い単独トップに立っていた大栄翔。勝てば優勝となる千秋楽は平幕・隠岐の海との対戦だったが、立ち合いから鋭い突き押しで圧倒し突き出しで勝利。この結果自身初、そして優勝制度が確立した1909年以降では埼玉県出身力士初となる優勝となった。 >>綱取り失敗の貴景勝、プライベートにも原因?魁聖・阿炎も低迷中、結婚後の力士に危惧されるデメリットとは<< 大栄翔の優勝を受け、角界OBたちがSNS・ユーチューブ動画やスポーツ紙上でコメントしている。現役時代に1度優勝経験がある鳴戸親方(元大関・琴欧洲)は、24日に自身の公式ブログに投稿。「初優勝はほんとにうれしいものです おめでとう」と大栄翔を祝福した。 日本相撲協会公式ユーチューブチャンネルが同日に行った生配信に出演した荒磯親方(元横綱・稀勢の里)は、「初優勝(という言葉だけ)を見ると荒れてるような気がするけど、中身を見てみると完璧な15日間だった」と発言。両横綱不在の今場所は優勝候補となるべき三役以上の力士が中日までに2敗以上を記録する中、平幕の大栄翔は8連勝で優勝争いトップを快走。そのため多くのファンやメディアから“荒れる初場所”と呼ばれたが、荒磯親方は三役以上の力士を全員撃破した大栄翔の優勝は決してまぐれではないと称賛した。 NHK大相撲解説者の北の富士勝昭氏は、25日の『中日スポーツ』(中日新聞社/電子版)の記事内で「これで大栄翔も大関候補の一人に数えられると思う」とコメント。大栄翔を2020年9月場所後の正代に続く次の大関候補に挙げている。 大栄翔の初Vについては、ネット上にも「両横綱不在とはいえ、役力士を抑えての優勝は間違いなく立派」、「今場所は連敗が一度も無かったから、勢いだけじゃなく実力あっての優勝と言っていいんじゃないかな」、「大栄翔の好調ぶりと共に、役力士の体たらくぶりが目立った場所でもあった」、「これで来場所は上位陣の尻に火がつくはず、それをさらに上回れるようにさらに稽古を積んでほしい」、「平幕上位で優勝だから、3、5月場所の結果次第で十分大関は考えられるぞ」といった反応が多数寄せられている。 大関昇進には“三役での直近3場所で33勝以上”という目安があるが、直近では2018年1月場所を「14勝1敗」で制した平幕・栃ノ心がその後の2場所で10勝、13勝を挙げ大関に昇進したケースがある。この栃ノ心のように大栄翔も一気に大関まで駆け上がることができるのか、次場所となる3月場所でも多くのファンの注目を集めそうだ。文 / 柴田雅人記事内の引用について鳴戸親方の公式ブログよりhttps://ameblo.jp/kotooshu-naruto/日本相撲協会の公式ユーチューブチャンネルよりhttps://www.youtube.com/channel/UC6ZZhovRZpUA4VafgBdECZQ
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大関逃した大栄翔、角界OBが後半の“異変”指摘「足全然出てなかった」 八角理事長も内容に不満か
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初場所Vの大栄翔に「完璧な15日間だった」荒磯親方らも祝福 「体たらくぶりが目立った」上位陣への不満も
2021年01月25日 13時25分
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