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夏の甲子園V予想 150キロか70本塁打か 超高校級ドラフト候補スカウト査定(2)

 打者部門では、通算73本塁打を放っている岡本和真(智弁学園)への注目が集まっている。今春センバツでも岡本は『1試合2アーチ』で、スカウト陣に天性のパワーを見せつけている。「スイングが速い」と称賛するスカウト陣も多いが、「苦手コースがない」のが最大の素質であり、ストレートも変化球も同じスイングで弾き返せる。
 「智弁学園は冬場に約1メートルの長バットで振り込みをさせ、芯で捉えなければ手に痛みが伝わる竹バットも使っています。マシン打撃ではスローボールにセットし、引き付けてコンパクトに強く振り切る練習もしていました」(美山氏)

 一般論として、ドラフト候補に挙がる高校球児は、中学時代は硬式クラブチームに所属し、多かれ少なかれ、その活躍はスカウトの耳にも届いている。しかし、そういった中学時代の情報がなく、高校で急成長した“未完の大器”もいる。
 「脇本直人(健大高崎)は身体能力の高い左バッターです。昨夏V投手・高橋のいる前橋育英を破った同校の勝因は、脇本のバットです。一、二塁間を破る鋭い安打を放ったかと思えば、右翼手の頭上を越える長打も打てる。強いて課題を挙げるとすれば、左方向への打球が少ないこと。日本文理の飯塚、智弁学園の岡本も好打者ですが、彼らとの違いは、脇本には“足”があること。合宿所生活で食生活を管理され、体も大きくなりました」(手束氏)

 トラ党が無視できない逸材もいる。'12年ドラフト2位で獲得した北條史也の弟、北條裕之(八戸学院光星)も同じ内野手として出場する。主に1番打者として活躍し、今春センバツ後、打撃力がさらに増した。兄弟でタテジマを着るとすれば、人気も出そうだが…。
 「九州国際大付の山本武白志は、元ロッテ監督の山本功児氏の息子です。予選では本塁打を放ちましたが、打ったボールが失投ではなく、相手投手が決めにきたスライダーだったところは評価してもいいと思います。同校の清水優心は超高校級の強肩捕手。DeNAの'11年ドラフト2位、高城俊人の出身校でもあり、若生正広監督は捕手を育てるのもうまいのでしょう。今夏限りでの退任を表明しており、同校が台風の目になりそうです」(スポーツライター・豊島純彦氏)

 さて今年は、東海大グループの高校が4校出場する。東海大四、東海大望洋、東海大甲府、そして、最後に東海大相模が神奈川県代表の座を勝ち取った。ちなみに1995年以降、途切れることなく毎年出場しているライバルの日大系列は、鶴ケ丘(西東京)と大垣日大(岐阜)の2校のみだ。
 東海大相模といえば、故・原貢氏が同校を全国制覇に導いたのは44年前の1970年夏のこと。その薫陶を受けた現同校の門馬敬治監督は「選手の邪魔をする気はないが、どうしても勝ちたかった」と、故人への思いを打ち明けていた。
 「東海大相模は“140キロカルテット”と称されるハイレベルな4投手を揃えている。神奈川県大会決勝戦で20奪三振を奪った2年生・吉田凌はもちろんだが、エースの青島凌也も高く評価されています」(豊島氏)

 将来性も、即戦力系も豊富な大会なだけに、スカウト陣は目移りしてしまいそうだ。

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