A:気管支ぜんそくは、空気の通り道である気道が過敏になり、刺激に対して過剰に反応し、収縮します。発作時以外も、気管支の粘膜には炎症が起きていて、少しの刺激にも反応し発作が起きるのです。アレルギー疾患の一つで、ハウスダストやカビ、花粉、ペット、タバコの煙、精神的ストレスなどが発症の誘因になります。
●発作の予防に大切なこと
ぜんそく予防にぜひお勧めしたいのが「腸内環境を整えること」「冷え性にならないこと」「口呼吸をやめること」「ストレスをためないこと」の4つです。
野菜や発酵食品の多い和食を中心とした食事は、腸内環境を整えます。腸は粘膜表面に免疫細胞が集まっている重要な器官。その腸が整うことは、免疫バランスが整う第一歩なのです。
冷えについては、近年は男性の冷え性も増えており、その対策は重要です。足元や腰回りを温める服装を心がけ、半身浴を行いましょう。ウオーキングなどの運動もお勧めです。
●あいうべ体操
私は、このコーナーでもおなじみの今井一彰先生(福岡市・みらいクリニック院長)の「ぜんそくは口呼吸を引き金に発症する可能性が高い」との見方に立ち、先生が考案された『あいうべ体操』を患者さんに指導しています。
この体操によって口の周りの筋肉が鍛えられ、舌の位置が矯正されるため、口呼吸が改善されます。ぜんそくの人は普段の呼吸が浅く、体内が低酸素になるため、無意識に口呼吸をする傾向があります。この体操を実践して、呼吸が深くなれば肺も広がり、ぜんそくの発作も起きにくくなります。
『あいうべ体操』は次の手順で行います。
1、「あー」と、口を大きく開く。
2、「いー」と、口を大きく横に広げる。
3、「うー」と、口を強く前に突き出す。
4、「べー」と、舌を突き出して下に伸ばす。
1から4がワンセット、1日に30セット行いましょう。2〜3回に分けてもかまいません。並行して、鼻から呼吸する習慣を身につけ、深呼吸ができるようになりましょう。
また、楽しく歌うことも呼吸を改善するよい方法の一つです。ぜんそく発作は心の状態とも関係します。精神的ストレスをため込まないようストレス対策法も実践し、笑顔を心がけましょう。
首藤紳介氏(湯島清水坂クリニック医師)
久留米大学病院小児科、大分こども病院、聖マリア病院母子総合医療センター等を経て、2010年より湯島清水坂クリニック(東京)に勤務。「福田−安保理論」をベースにした自律神経免疫療法により「薬だけに頼らない医療」を実践中。