「デヴィ夫人がむかつくから困らせてやりたかった。困る顔が見たかった」
タレントのデヴィ夫人(79)が代表を務める芸能事務所の運営費約2200万円を59回にわたって横領したとして、業務上横領の罪に問われている元経理担当の無職・辻村秀一郎被告(61)の公判が2月21日、東京地裁で開かれた。
この日、ジャージ姿に白髪混じりのロン毛で法廷に現れた辻村被告は、冒頭のように動機を説明した後も、デヴィ夫人批判を続けた。
「前任者が辞めたのも、夫人に叱責されて嫌気がさしたと聞いていた。夫人はいつも自分本位。勝手な思い込みが激しい。スタッフの忠告に耳を貸さない。まさにひんしゅくのマト」
さらに、給与をもらっていなかったとも主張。
「前職の月給は40万円だったので、その金額でデヴィ事務所でも働くと合意していた。テレビに出てる人だから、まさか金を払わないなんてことはないだろうと思ってた」
辻村被告は、前の職場を2013年11月に退社し、デヴィ夫人の事務所に移籍。'16年8月まで勤務していたが、デヴィ夫人は「月16万円を毎月払っていた」と反論している。
「ネットなどでは、『還暦近い被告の月給が16万円では安すぎる』との声もありましたが、辻村被告は週に数日しか出勤していなかったそうです。横領した金も、恋仲だった中国人女性の口座に送金していたようですから、被告の主張が認められる可能性は低いでしょうね」(全国紙記者)
横領の事実はすべて認めている辻村被告。検察官から「賠償するつもりはあるのか?」と問われると、「ありません」と即答した。
傍聴席最前列で傍聴していたデヴィ夫人は、辻村被告の発言に我慢がならなかったのか、「はぁ〜」「全然違う!」「何言ってんの」と独り言を連発。裁判官に「お静かに」と、たしなめられる場面も。
意見陳述ではデヴィ夫人自ら証言台の前に立ち、「彼の言うことで、真実は一つもありません」とキッパリ。横領した回数と金額についても280回以上、総額1億7000万円以上であると指摘した。今後、民事裁判でも責任を追及する構えだ。
3月5日、辻村被告の判決公判が東京地裁で開かれ、裁判官は「背信的で継続的な犯行」として懲役4年(求刑4年6月)を言い渡した。これが事実なら、デヴィ夫人が「あんた何言ってるの?」と言うのも頷ける。