琴光喜といえば、'10年7月に野球賭博に関与したとして相撲協会を解雇されたが、日大相撲部時代に27冠を獲得し、幕下付け出しでプロデビューするや、わずか16場所で平幕優勝するなど、力士としては超エリートだった。
「小さいころから相撲一色の人生で、人を疑うことを知らない好人物。力士仲間の信頼も厚かったが、唯一の欠点が博打(ばくち)好き。そのため、貴闘力(元関脇、先代大嶽)にうまく利用されて野球賭博に手を染め、大相撲界から追われるハメになった。その後、琴光喜は、『野球賭博を認めたら厳重注意で済ますと言ったのに解雇したのは約束違反だ』と申し立て、東京地裁に提訴したが、今年9月に敗訴。それでも諦めずに目下、控訴中です。それだけ土俵に未練を持っていたんですね。いまだに現役復帰を夢見てマゲも切らず、時間を見つけてはトレーニングに励んでいます」(担当記者)
こんな田宮容疑者が生活の手段として始めたのが飲食業。しかも指南役は、野球賭博と同じく、都内で焼き肉店を開いて成功している元貴闘力の鎌苅忠茂氏だった。
「経営者とはいっても、実際の切り盛りは鎌苅さんが送り込んだ力士経験者がやっていた。名古屋場所中は白鵬や日馬富士をはじめ、相撲関係者も数多く訪れて、結構繁盛していました」(相撲関係者)
ひと儲けして大相撲界を見返してやりたいと焦っていたのかもしれないが、もうこれで“琴光喜”の力士復帰の道は完全に断たれたといっていい。