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ネットから店頭売りへ 消費増税前の家電量販店バブル

 あの“地デジ・バブル”の反動から、一時は破綻の危機に直面していた家電量販店に明るい兆しが見えてきた。ヤマダ電機などは、昨年10〜12月期の経常利益が14%増の207億円となり、3四半期ぶりに前年同期を上回った。
 大型テレビに加えて省エネ性能が優れたエアコン、冷蔵庫など白物家電が大きく伸びてきたことが大きく、市場関係者は「4月からの消費増税を睨み、早くも駆け込み需要が活発になってきたことが背景にある」と指摘する。
 それなのに、各社が業績回復をアピールするのはなぜなのか。「キーワードは『ショールーミング』」と、電機メーカー幹部は打ち明ける。

 最近の消費者、とりわけ若者は量販店の店頭で商品を実際に触ってチェックするが、購入しない。スマホを駆使して価格を比較するサイトで調べ、最も安い通販サイトから購入する。いまや量販店はショールーム化している、という米国発祥の造語である。
 「ネット通販は安い反面、消費者が殺到することから在庫切れが多い。しかも、いつ補充できるかわからないため、量販店の店頭で即決購入する消費者が増えてきた。家電量販店とのしがらみから、商品によってはネット通販への出荷を意図的に抑える手法がまかり通っているのが実情です」(電機メーカー幹部)

 道理で“死に体”だった家電量販店が消費増税を追い風に息を吹き返したわけだが、4月以降に大きな反動に見舞われるのは確実だ。何せ、消費税が3%から5%に上がる直前の1997年3月には「前年比5割増の駆け込み需要があった反面、その反動で各社がガタガタになった」(関係者)という。
 ネット通販との生存競争に加えて、ただでさえ病み上がりの家電量販店のことだ。今度の消費増税による反動がもたらす影響は、どうやら地デジ・バブルの比では済まないようだ。

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