アッと驚く大穴馬を推奨する当コーナーだが、いつもそこから入るのでは芸がない。というのは、昨年の有馬記念(3連単98万5580円)を見ても分かる通り、((1)着が上位人気)→((2)(3)着のいずれか、または両方とも人気薄)の組み合わせがトレンドになりつつあるからだ。今年に入ってもフェアリーS、シンザン記念、京成杯がこのパターンで3連単10万円超の決着だ。
そこで、狙いをつけたのがアルナスライン。前走の有馬記念(6着)は「AR共和国杯(3着)で決め手がないことが分かったから、絶対に先行させる」と語っていた松元調教師の考えとは裏腹に、後方からの競馬を余儀なくされたもの。外枠からダイワスカーレットが内に切り込んできたためにポジション争いが激しくなり、「思っていた位置が取れなかった」(ペリエ騎手)のだ。
それにもまして、大きかったのが状態面。当初は年明けから始動する予定だったが、急きょ、グランプリへの出走が決まったため、準備期間は短期放牧から帰厩後、わずか2週間。プラス14キロの馬体からも、急仕上げで臨んだことは明らかだった。アルナスにGI級の底力があるからこそ、この状況で0秒7差に踏みとどまったとみていい。
実戦を使ったことで馬体がスッキリ絞れたうえ、中間は攻めを大幅に強化。「今度は中身が違う」と松元師が胸を張る状態に仕上がっている。
乗りかわりも武豊騎手なら好材料。ケガから復帰後は勝ち星が少なく、やや精彩を欠いているように映るが、今年の連対率は4割を超えるハイアベレージ。軽視されている今が買いだ。