A:加齢臭は、一般的に男性ホルモンの影響で皮脂が大量に分泌され、その結果として臭いのもとである過酸化脂質が発生し、これが特有の体臭のもとになると言われています。
体からの分泌物であるため、内側から体質を変えていくことが大事です。結論から言えば、きれいな体内環境をつくればよいのですが、問題はその方法です。
●腸内環境を整えよう
では、どうすればいいのか。まず、腸内環境を整えることです。
一般的に、食の欧米化によって腸内環境は悪化し、便秘や体臭の原因になっています。肉類は消化が非常に悪く、腸内で腐敗し、臭いのもとになる物質を発生します。野菜類を多く摂取すべきですが、よく噛んで食べることも非常に重要です。
体の冷えは便秘や血行不良につながりますが、葉物野菜は過食すると冷えの原因になります。1分ぐらい加熱して食べると体を冷やしにくくなります。一方、根菜類は体を温める作用もあり、お勧めです。
味噌などの発酵食品は腸内細菌を整えます。エゴマ油などアルファリノレン酸(オメガ3)の多い油は、腸管のワックスのような働きがあり、有害物質の吸収をガードし、便を軟らかくします。この他、食物繊維の多い玄米や海藻も食べましょう。
また、砂糖類(菓子類、清涼飲料水など)、過度の飲酒、タバコも控えること。これらは体臭のもとになります。
半身浴で体を温め、湯舟で腹をへこませたり、ふくらませたりする運動や、おなかのマッサージもお勧めです。そして、運動で発汗し、老廃物を積極的に排泄すること。ウオーキングなど、自分のライフスタイルに合わせ、楽しく続けられるものを選んでください。
●ストレス対策も重要
体臭対策では、ストレスも最重要課題です。仕事や人間関係などの過度のストレスは、体内で活性酸素を作り、体臭のもとである過酸化脂質を大量に発生する原因になります。
不規則な生活習慣、睡眠不足も、皮脂腺が活性化し、体臭の原因になります。気にし過ぎることもストレスとなり、悪循環に陥ってしまいます。
細かいことを気にしないようにし、完璧主義をやめ、プラス思考、ストレスを溜めない技術などを学ぶようにしてください。自分なりのストレス発散法を知っておくのも大切です。
これを機に生活習慣、食生活を見直して、笑顔の多い毎日を目指しましょう。
首藤紳介氏(湯島清水坂クリニック医師)
久留米大学病院小児科、大分こども病院、聖マリア病院母子総合医療センター等を経て、2010年より湯島清水坂クリニック(東京)に勤務。「福田−安保理論」をベースにした自律神経免疫療法により「薬だけに頼らない医療」を実践中。