「ソトサンも彼らの全貌まで把握できていない。ただ、日本は幸いにも島国なので重火器の入手は非常に困難なのです。その代わりに貧者の武器といわれる毒ガスが使用される可能性が出てきた。先ごろ、フランスのイスラム国協力者の自宅からテロ計画なる文書が押収され、日本で毒ガステロを行うとの記述があったというのです」(同)
事実、化学兵器禁止機関(OPCW)は会見で、過激派組織『イスラム国』が昨年10月、イラク国内でイラク兵士に対し塩素ガスを使ったことを明らかにしている。
「おそらく、サリンだってその気になれば生成できるでしょう」(同)
他にもフランスで押収された文書には、原子力発電所占領計画など身の毛もよだつ文言が並べられていたという。中でも日本の捜査機関に最も戦慄を与えたのが、新幹線爆破計画だったというのだ。
「'02年にソトサンが入管法違反で当時のアルカイダのメンバーを逮捕した事件の際に押収した資料の中に、0系から800系に至る新幹線の写真とコムトラックという新幹線運行管理システムに関するデータの資料が含まれていた。これと同じものが、フランスのイスラム国シンパのアジトから押収されたというんだ。アルカイダは今や勢力を失い解散に近い状態だ。アルカイダの有力組織がこぞってイスラム国に参加したとの話もある。イスラム国がテロ対象として新幹線に強い関心を持っているのは間違いない」(外事関係者)
他にもアメリカ大使館がある東京の虎ノ門周辺も狙われているという。
「大使館の中にはCIAの対中東オペレーション・チームのヘッドクオーターが存在する。米国のイスラム国壊滅作戦の頭脳と言ってもいい場所だ。最近、日本の警察官の数が倍になったばかりか、アメリカの武装駐在員も3倍になった。既に米国もこの情報は入手済みだ」(同)
『イスラム国』の恐怖にさらされているのは日本政府だけではない。実は日本のテレビ局や芸能人も、テロ計画のターゲットにされているというのだ。
「イスラム国の誘拐ビジネスは組織を維持する柱。日本の芸能人なら、数億円の身代金を用意することは可能だと考えているんだろう。ロケ地で芸能人が誘拐でもされたら、それこそ大ニュースになる。しかも、身代金はテレビ局が肩代わりすることになるから取りっぱぐれはない」(同)
この怪情報に日本のテレビ界は頭を抱えている。高視聴率を取っている番組の約4割近くが、海外ロケに依存しているからだ。
「NHKは特番を含めるとかなりの数になります。日テレの『世界の果てまでイッテQ!』やTBSの『世界・ふしぎ発見!』など、海外ロケ番組はそのほとんどが局にとって高視聴率を取れるお宝番組です」(テレビ局関係者)
中でも一番危ないのが、世界最大のイスラム人口を有するインドネシアと、イスラム教徒が多いマレーシアだという。
「既に何百人もの国民が戦闘に加わるためシリアやイラクに渡っている。当然、協力者もいる。この近辺でロケをすればリスクは倍になる。イスラム国はツイッターやフェイスブックなどを駆使し、各国に情報網を敷いている。ロケ情報などはチェックされていると思った方がいい」(前出の外事関係者)
彼らの“計画”が、全て未遂に終わることを願う。