「シンクタンク『日本生産性本部』が実施する顧客満足度調査では、2013年度の1位から'16年度には27位までランキングを落としています。要因は『待ち時間の長さ』『乗りたい乗り物に乗れない』といった不満を持つ顧客が増えていることが背景にあります。訪日客の来場もあって平日から大混雑していますから、人気アトラクションを待たずに乗れる『ファストパス』はすぐ締め切られてしまい、2時間待ちの行列に並ぶ羽目になる。ゴールデンウイークや夏休みになると、駐車場に停めることさえ難しい」(経済誌ライター)
入園後はさらに過酷だ。開園とともに親たちは人気アトラクションに全力疾走し、ファストパスを確保。子供たちが楽しんでいる間、別の人気アトラクションのファストパスを発券するためパーク内を走り回る。夢の国の中だというのに、夏の炎天下では熱中症で救護室に運ばれる親たちが後を絶たない。
「ディズニーリゾートは'17年度の来場者数が前年度比0.3%増の3010万人を突破しました。今年は周年イベントが目白押しとなっており、さらなる増加が見込まれます。ただ、株主からは常々『入園料を値上げする割にサービスの低下が著しい』といった指摘を受けており、顧客満足度の低下という背景もあって、今回の“拡張”表明となったのでしょう」(同)
最大のライバルで目の上のタンコブ的存在の『ユニバーサル・スタジオ・ジャパン』(大阪市)は相変わらず好調で、'17年度の来場者数は過去最高となる1500万人が見込まれている。
アトラクションに目新しさがないディズニーリゾートにとっては、試練の1年となるかもしれない。