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開業35年で拡張を発表したTDLの顧客満足度低下の焦り

 今年、開園35周年を迎えた東京ディズニーランド。先頃、運営会社オリエンタルランドの加賀見俊夫会長は、東京ディズニーリゾート全体を拡張する方針を明らかにした。近年は中国人や東南アジアからの訪日観光客が爆発的に訪れるようになったものの、入園者数そのものは伸び悩んでおり、約750億円の大型投資で打開したい考えだ。
 「シンクタンク『日本生産性本部』が実施する顧客満足度調査では、2013年度の1位から'16年度には27位までランキングを落としています。要因は『待ち時間の長さ』『乗りたい乗り物に乗れない』といった不満を持つ顧客が増えていることが背景にあります。訪日客の来場もあって平日から大混雑していますから、人気アトラクションを待たずに乗れる『ファストパス』はすぐ締め切られてしまい、2時間待ちの行列に並ぶ羽目になる。ゴールデンウイークや夏休みになると、駐車場に停めることさえ難しい」(経済誌ライター)

 入園後はさらに過酷だ。開園とともに親たちは人気アトラクションに全力疾走し、ファストパスを確保。子供たちが楽しんでいる間、別の人気アトラクションのファストパスを発券するためパーク内を走り回る。夢の国の中だというのに、夏の炎天下では熱中症で救護室に運ばれる親たちが後を絶たない。
 「ディズニーリゾートは'17年度の来場者数が前年度比0.3%増の3010万人を突破しました。今年は周年イベントが目白押しとなっており、さらなる増加が見込まれます。ただ、株主からは常々『入園料を値上げする割にサービスの低下が著しい』といった指摘を受けており、顧客満足度の低下という背景もあって、今回の“拡張”表明となったのでしょう」(同)

 最大のライバルで目の上のタンコブ的存在の『ユニバーサル・スタジオ・ジャパン』(大阪市)は相変わらず好調で、'17年度の来場者数は過去最高となる1500万人が見込まれている。
 アトラクションに目新しさがないディズニーリゾートにとっては、試練の1年となるかもしれない。

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