しかし、一部のNPB関係者は「大谷は東京五輪の野球・ソフトボール競技の“最大の敵”となる」と気付いたらしい。
「右肘にメスを入れた大谷の復帰ビジョンが伝えられました。おおまかではありますが、来季は打者一本、二刀流の完全復活は再来年です」(特派記者)
新人王に選ばれたのは、二刀流のインパクトが強かったからだ。しかし、打者一本になっても、米国ファンの関心が弱まることはなさそうだ。
「『40×40』(40本塁打、40盗塁)が達成されるとしたら、大谷しかいません。そうなれば、史上5人目で歴史的快挙になりますからね」(米国人ライター)
1996年のボンズ(ジャイアンツ)、98年A・ロドリゲス(当時マリナーズ)など、達成したのは時代を象徴するスラッガーだけである『40×40』。今季の大谷は367打席に立ち、22本の本塁打を放った。数値的には「15打席に1本」の割合で本塁打を放っており、このペースは、本塁打タイトルを獲得したスラッガーに匹敵する。大谷の快足ぶりもすでに認められているので、『40×40』が達成できると米ファンは見ているわけだ。
快挙達成の翌年に、二刀流復活。2020年は大谷への注目度がさらに高まるだろう。
「日本も衛星放送で大谷の先発する試合を生中継する予定です。しかし、2020年といえば東京五輪開催年。さらに競技の大半は、猛暑対策で早朝や午前中に始まるため、時差14時間のアメリカにいる大谷の試合は五輪中継と重なる恐れがあるのです」(NPB関係者)
東京五輪の裏番組で大谷が快投するとなれば、日本の野球ファンの中からも“裏切り者”が出てしまうかもしれない。侍ジャパンが視聴率競争で大谷1人に敗れる可能性は低くない。