しかし、その一方で火花散る戦いを演じた女優がいた。一部で話題になった篠原涼子と米倉涼子である。
今回のバトルは2回目だ。初回は'10年の米倉『ナサケの女〜国税局査察官〜』(テレ朝系)、篠原『黄金の豚 -会計検査庁 特別調査課-』(日テレ系)だった。似た傾向の内容のせいで熾烈な闘いとなり、双方の情報合戦さえ行われたのだ。
米倉は放送前から「あちらはどんな内容なの?」とスタッフに聞き回ったりしたという。
一方、篠原は制作発表会見で「(米倉のドラマの存在は)知らなかったです。自分のことに夢中なので」と発言。まるで無視したような格好だ。
最終回こそ14%台とほぼ拮抗する数字だったが、平均視聴率は『ナサケ』13.9%、『黄金』13.5%と、わずかの差で米倉に軍配が上がった。
今回、3年ぶりとなった“涼子対決”だが、米倉『35歳の高校生』は初回から下降トレンドをたどり、9回目は9.9%とついに10%割れ。対して、篠原『ラスト・シンデレラ』は初回から7週連続視聴率アップが続き、'89年以降の民放連続ドラマで記録となった。
さらに、パブリシティ戦略でも、双方の取り組み方で結果に差がついた。
「『35歳』は放送済みの回を繰り返し流すアピール手法だったが、『ラス・シン』は藤木直人や三浦春馬らが朝から情報番組に登場し、派手な宣伝を繰り広げていた。『35歳』は米倉だけが数字のとれる有名スターだったが、『ラス・シン』は篠原、藤木、三浦と層が厚く宣伝面でもその強さが出た」(テレビ雑誌編集者)
結果として『35歳』は10回で13.1%、『ラス・シン』は11回で15.1%と篠原の雪辱勝利だった。
学生服まで着て挑んだ米倉だが、あまり似合わず、コスプレ負けともいえそうだ。(編集長・黒川誠一)