「内訳を見ると、軽自動車の販売増には目を見張るものがあり、ホンダ『N-BOX』やダイハツ『ムーヴ』など販売上位10車種中の7車種を占めています」(モータージャーナリスト)
もう一つ注目すべきは、輸入車の増加だ。4月5日に日本自動車輸入組合が発表した'17年度の外国メーカーの国内新車販売台数は30万3920台と3年連続の増加で、これは軽自動車を除く新車販売全体に占める割合でいえば9.1%と過去最高となり、10%の“大台”まであとわずかの推移となっている。
「輸入車の増加には近時の好景気の背景があるとも見られますが、消費者の声を分析してみると、以前のようなただの成金主義一辺倒ではありません。小型輸入車のラインナップが増えて消費者の間口が広がったことが大きいのと、売れている外国車メーカーは日本市場を非常によく研究した商品を投入してきている。逆に言うと、国内メーカーは日本市場を諦めているというか『軽自動車を売っていればいい』とさえ思っているフシも垣間見えます。数の出る軽自動車の種類を増やしているのは、日本のいびつな自動車税制にも問題があるからです」(同)
地方では生活必需品となっている車だが、日本において車イコール贅沢品と捉えた税制は変わっていない。日々の生活に追われる国民が車を購入する場合、軽自動車を選択せざるを得ないのだ。
その一方で、国内メーカーの普通車を購入したい層に対して魅力的なラインナップが用意されているかというと、疑問符が付く。
以前、トヨタ自動車の豊田章男社長が「海図なき航海に突入した」と言い切った自動車業界。それほどまでに先行きは不透明だ。
数少なくなった日本の“お家芸産業”として、早急な官民挙げてのドラスティックなアクションが求められていると言えるだろう。