特に「TBS史上最悪の放送事故」とされているのが、1973年に発生した「スタッフ全員朝寝坊事件」だ。これは『時事放談』の生放送時代、出演者は全員揃っているのにも関わらず、番組スタッフが一人も現れず放送ができなかったというものだ。この日、司会を務めていた政治評論家の細川隆元氏(1994年没)は生対談をするため、予定通り午前8時過ぎにTBSのスタジオに集合。ところが放送開始の8時30分が近づいてもディレクターやカメラマンは現れず、スタジオは真っ暗なまま。異変に気づいた細川氏が近くのTBSの職員に報告し、局内にいたカメラマンやディレクターをかき集めたが、約18分間、放送することができず放送事故となってしまった。
原因はTBS局内の連絡ミスで、この日本来は信越放送からの中継放送を予定していたが、事情があり、放送3か月前にTBSスタジオからの中継に変更。しかし、スタッフが日程表を「信越放送制作」としたままだったために、スタッフがTBSのスタジオに現れなかったのだ。
この事件は当時、「『時事放談』朝寝坊」という見出しで、新聞で大々的に報じられている。
また、他にも、1979年1月26日に大阪で発生した「三菱銀行人質事件」では生放送を打ち切り、現地からの生中継を展開しているなど、生放送ならではのハプニングも多かった。
しかし、2004年の復活後は、数日前に事前収録となり生放送は行われなかったが、復活後は政治番組以外にも「グルメ番組」の一面を強化し、出演者達が毎週オススメのお菓子を持ち寄り、芸人顔負けの食レポートが行われるなどしていた。(なお、時事放談には「菓子コーディネーター」という謎の役職の人物も参加している)
『時事放談』は他の番組にはない「ほのぼの政治バラエティ」としても長年に渡る人気があっただけに、番組の終了を惜しむ声は非常に多い。