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上方芸能界の均衡に変調を来す人間国宝・桂米朝さん死去の波紋

 3月19日、上方落語の大御所で人間国宝の桂米朝さんが89歳で亡くなり、関西の芸能界には言い知れぬ喪失感が漂っている。
 「何とも言えん品の良さで、コテコテの大阪とは違う、全国に通用する関西人のイメージを作らはった。自分の一門だけやなしに落語界全体のこと考えてやってはった方ですわ」(上方落語協会広報・桂文福さん)

 米朝さんの功績といえば、誰もが上方落語の継承と復活、弟子の育成を挙げる。しかし、加えて高い評価を受けているのが、芸人、落語家としての先進性だ。
 「タレントとしての落語家も、大ホールで落語をやった落語家も米朝さんが最初です。それから米朝さんは生涯を通じて、落語家の地位向上に努力された人。それまでの落語家が芸能プロの言いなりだったのを、自分の事務所(米朝事務所)を大きくすることで落語家が落語をしやすい環境を作った。米朝一門があれだけ大きくなったのも、米朝事務所が成功したからですよ」(雑誌『上方芸能』発行人・木津川計氏)

 関西の演芸界は、吉本興業と松竹芸能が言わずと知れた2大勢力。この2つの“主力商品”は漫才やコントといったテレビ受けする分野であり、落語家は一部の人気者を除いて扱いが低いといわれる。
 「吉本・松竹の噺家は、漫才、コントに比べて仕事が少ない。そやのに自分で仕事を取りに行ったら怒られる場合もある。その点、米朝師匠のところは、落語家が一応落語だけで食べていってはるみたいやし、立派なもんです」(ある興行師)

 今や米朝事務所は、芸人のプロダクションとしては、関西演芸界の第3勢力の地位を確保している。ただし、やはり米朝さんあっての事務所。米朝さんの死去で、この力関係に変化が生じるとの見方もある。
 「大手が米朝さんに敬意を払って遠慮してたのは事実。でも重しがなくなったことで、動きがあるかもしれません。例えば人気のある弟子をその一門ごとスカウトするとか」(同)

 いずれにせよ、その偉大さを改めて思い知らされる米朝さんに合掌。

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